色無き風

張りつめた空気の中
冬の気配がした

「どこにも行かないから」

やがてくる
寒さを1人 越えられるだろうか
かじかむ指に 君の温もりを
求めたりはしないだろうか

ねえ、
どこにも行かないけれど
ここにも来ないのでしょう？

勇を鼓す

飽和のち雨

茜色に当てられ
感情が飽和する

どうかその手で
地の底まで
堕としてくれないか

当て所ない思いを放ち
秋雨に溶けよう
痛みを　ろ過し
また生まれ変われると

夜長人

論破という名の
マスターベーション
雑言も耳に有害
あゝ聞き飽きた
聞き飽きました

鉄が足りない
天上メリーゴーランド
脳がバグる
ぐるぐる
グルグル

好きなもの
端から端へ並べても
満たされない夜半です

心に積もった塵を
払ってくれるような
優しい声

中華まんを半分こするような
温かい声

あゝそのような
あなたの声が聴きたくて