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poetry

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長文、一行詩、 Twitterに投稿した詩、駄作。ぜんぶ。
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2022年7月の記事一覧

道半ば

道半ば

カナカナカナ
蜩(ひぐらし)が呼び起こす
冷たく硬い皮膚の感触

記憶を辿る
泣けなかったこと

後悔が
畳の上を吹き抜けていく
ただ呆然と眺めていた夏

祈りも願いも一緒に燃えて
煙となって消えました

どんなに話しかけようと
写真は 写真でしかなく
石は 石でしかないのだと
リアルを受け入れた
あの日

「見ていて欲しい」
そんな甘えは
土の中へと埋めました

走って
守って
愛して
そして

もっとみる
多彩な空と日常と

多彩な空と日常と

廃墟ビルの向こう
水色と桃色の空に
思い馳せる17時
彼方の空は何色か

通りすがりが喚く
ノイズが酷い日常
この耳に届くのは
君の声だけでいい

錆びた自転車の先  
橙色と灰色の空に
思い馳せる18時
其方の空は何色か
 
今日も待っている
時に抉られ時に毒
時に救いの言葉を
此処で待っている

朝凪のとき

朝凪のとき

陸風の僕
海風の君
入れ替わるときを
待ち侘びた
無風となった
この時だけ
言葉を交わすこと
赦して欲しい

夏座敷で見た夢は
線香花火の落ちる音
寂しそうな君の横顔

忘れてないよ
憶えていてよ
最後の指切り
誓った笑顔

海へと向かう風となった
泣きたいときは
呼んでいいんだ
君の声なら届いてる

16

16

半熟だった僕等が 
聴いてたあの曲
時空を超えて
丸の内がまた響いてく

ドーナツの中心で光を放つ 
あの頃 君は遠かった
眩さに背伸びしたね
Black Stoneのチェリー味

埃を被ったブーツ
錆びついた南京錠
廃れた紙煙草
大人になってしまった僕等

傍らで口ずさむ君
2人を繋いだ旋律と
その笑顔だけは
あの頃のまま

標星

標星


見上げています短夜星
あなたが綴る想い人
魂合うことを願うのが 
定めて正しきことなのでしょう

真の鏡に映る顔
絵空事だと苦笑する
あゝ其れならば
この痛み
朝な夕なに襲いくる
胸の痛みは偽りでしょうか

見上げています短夜星
届かぬ思い託すとき
あなたが遠くで光るなら
ほんの僅かでも光るなら
標星に約束を
紡ぐ者で在り続けると