ピザ
「ちゃんと均等に分けてね。」
高校生の時、部活仲間6人でファミレスのピザを注文した時、仲間の一人に言われた言葉だ。自分がピザをカットする係に任命された経緯は覚えてない。意外にプレッシャーだなと感じたことは覚えている。この後他の一人が衝撃的な言葉を放ったためだ。
「俺あんまりお腹空いてないから小さめのでいいよ」
どうすればいいんだ。均等に分けたら多すぎる人が出てくるしその一人のために小さい一切れを分ければ他の5人のピザはどうしても不揃いになってしまう。
そのときはその意見を無視してできるだけ均等に6等分をしたのだが、まあ正確に切れるわけもなくその二人どちらからも文句を言われた。
国民に税金を振り分けるのもこんな感じなのかな、とよくわからないことを考えながら文句言うならお前がピザを切ればよかったじゃないかと彼らに向けて言う。こんな小さいことで揉めるのは嫌だが我慢して文句を受け止めるのはもっと嫌だった。
こうやっていつも代表者が叩かれる。みんなを代表して行動してるにも関わらず、何も行動しない人々に散々文句を言われる。結局人間は自分が叩かれるのは怖いのに他人のことは簡単に叩くようにできてる。
どうせなら店側がピザを切って提供してくれればよかったのに。そうしたら僕も一緒になって店に文句を言えたのに。