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日本ってやっぱりデフレ脱却できないの?と思った件。

ちょっと前に物価についてnoteを書いたのだが、食料品価格はすでにピークアウトしている物も増えているようだ。

食料品145品目のうち、半分強で2022年9月以降のピーク時より下がっている。

6000万人規模の購買データを扱うビッグデータプラットホーム「True date」によると、500〜600グラムのスパゲッティは2023年2月に297.8円まで上がったが、2023年12月にはピーク時より7.3%安い276.1円となった。

サラダ油(1キログラム)はもっと顕著で、2021年1月に平均193.7円だった単価が2023年1月には374.2円まで上昇。最近はピークから22.8%安い289円まで下がっている。

節約志向で、なるべく安い商品を手に取る人が増えていることも購買単価が下がる一要因だ。しかしながら、理由はそれだけではない。

スーパーなど小売店は、物価上昇による顧客の購入点数減少や、来店頻度の低下に対し、様々な企業努力を行なっている。

日経紙面には、スーパー「いなげや」の牛乳やパンの「曜日セール」が紹介されていたが、皆さんの地元のスーパーなどでも「期間や曜日限定セール」を目にしたことはあるのではないだろうか。

また、大手スーパーでは「PB(プライベートブランド)」の充実を図っている。以前はメーカー側が商品名を付ける「NB(ナショナルブランド)」しか手に取らなかった人たちが、恐る恐るながらPBを購入し、その品質が「安かろう悪かろう」ではない事に気が付いたのだ。

味や品質が大きく違わないのであれば「安い」物を消費者が手に取るのは自然な流れだろう。手に取ってもらえる機会が増えれば、当然企業側も「PB」に力を入れる。結果、価格の安い商品が増えるといった形だ。

現実にイオンは2023年9月と12月にPB「トップバリュ」商品60品目の値下げを実行した。トップバリュの2023年3月から11月期の売上高は7402億円と前年同月から11%上昇、2024年2月期には1兆円を突破し過去最高になる見通しだ。

現物価格が落ち着く一方で、サービス価格は上昇傾向となっていると先日こちらでも書いた。実際レジャーなどへお金を使う機会は増えているようだが、食料品のような普段必要なものを「節約」し、自分の楽しみにはお金を使う「メリハリ消費」の傾向が強くなっていることも言われている。

また、日経新聞社が四半期ごとにまとめる消費現場の景気指数である「日経消費DI」の調査では、2024年以降の賃上げ検討について企業の回答は
・物価上昇を上回る水準で検討 6.8%
・物価上昇並みで検討     43.5%
・検討していない       21.8%
となっている。積極的に「賃上げ」を検討している企業はわずか、といった結果だ。これだけ政府から「賃上げ」が要請されている中でも「検討なし」が2割に上る。

さて、このような状況で「賃上げを伴った健全なインフレ」が実現される可能性はいかほどだろうか?私はアナリストでも何でもない素人であるが、それでも「それは無理じゃね?」と言いたくなる。
結局日本はいつまでも「デフレ」から完全には離れられないのか?
株価は「失われた30年」から脱却できても、消費や市民生活は「失われた40年」になってしまうのか?

皆さんは、どう思いますか?

また、安価な商品の需要だけでなく、一部では高額商品の需要も高まっているようで、それは先日書いた「ハイブランド」だけではなく、高級食材もまた同様のようだ。

積極的に賃上げをする企業で働く人の所得は上昇し、そうでない人の所得は横ばい。高いものを好きに購入できる層と、安い商品で我慢をする層との2極化は今後ますます顕著になるだろうと思う。

あんまり想像したくない未来だなあ・・・と思う。これでは若い人が「貯蓄だ投資だ」となるわけである。心配になりますよね・・・。

いっそのことAIや自動運転がほとんどの仕事をしてくれて「ベーシックインカム」で不安なく人生を送れる世界の方が幸せなのかもしれない、、、。

今日はここまで。

引き続き、どうぞよろしく!

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