生徒との時間(五行歌 四首)
人は、今が幸せでないと
過去を懐かしくできないのかもしれない
以前働いていた学校の文化祭で
会った生徒の
あきらめたような表情
生徒を育てるには
努力や待つことだけでなく
祈りさえも必要だと
『カラマーゾフの兄弟』を読んで
ふと思った
「先生、理科の資料集なくしちゃいました。」
「先生、連絡帳配り忘れてますよ。」
いつでも笑顔のこの子
きっと
すべては家庭なんだろうな
15歳の頃
独りで見ていた映画を
いま生徒と共に見る
あの頃、遭難していた自分が
少し救われた気分
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?