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本屋は必要か

最近、街から書店がなくなっているというニュースを耳にする。アマゾンなどのネット書店に押されて、本屋の売り上げが落ちているというのだ。
僕は人後に落ちない本好きであるが、本を買うときは9割がネットで購入している。そのため正直、街の書店はある程度淘汰されても仕方ないと思っている。

以前、大手書店で長田弘さんの詩集を探していたときのこと、店員さんに聞くとまずは刺繍コーナーに案内された。「あの、長田弘さんの本なんですけど」と言っても、店員さんは「長田弘」なんて名前も聞いたことがないようだった。
かなりの大型書店だったし、有名な詩人とはいえ、そもそもがニッチなジャンルである詩について知らない、ということは分かる。
でも、この体験から、別に本屋で本を買わなくてもいいかな、と思ったのは正直なところである。

最近よく行くブックカフェがある。ここは、もとは本屋だったようだが、売り上げが落ち、新刊の本を立ち読みできるカフェに移行したとのこと。お客さんも多く、僕はここで、コーヒーとケーキをおともに、本を読むのが最近のお気に入りの時間の過ごし方である。

おそらく、本屋の提供するものが、“本単体”から“本を含むサービス”に代わってきているのだろう。僕も国語科の教員として、本離れが進んできていることは知っている。ただ、本屋に人が来ないことを嘆くよりも、どうすれば人が来るシステムやサービスを提供できるかを、考えたほうがいいと思う。
例えば、定期的に読書会が行われたり、朗読会や音楽の演奏会が行われたり、お客さんが出場できるビブリオバトルを開催してもいい、そういった本屋はきっと生き残る気がする。

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