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World Travel Log 2023.10-2

27歳、世界一周中のログ。

10/09 (月)

久しぶりに目覚ましの音で目覚めた。今日はフェリーで別のお家まで移動。出迎えてくれたのは75歳のおじいちゃん。独居老人ながら、園芸や友人との交流、映画祭までたくさんのことをアクティブに楽しんでいる。私もこんな老人になりたい。
日本にいる友人の結婚式の写真を振り返る。小学校からなんと大学まで同じだった友人。本当に本当に参列したかったなあ。
SNSの属性は結婚式のようなハレの日に大変向いているなと思う。その人の人生の全てを拾いきれないからこそ、特別な日だけでも、忘れたくない1日だけでも、人はポストしておきたいのだろう。(見る方は幸せなのでむしろいくらでもしてほしい)
その点日記はどちらかというとケの記録に向いているなと。まあ思ったことを全て書く必要はないのだけれど。


10/10 (火)

ウォーターベッドの上で目が覚める。不必要に身体の形に合わせてベッドが沈むため、腰への負担が大きい。肩と首が痛い。思えばこの日はあまりついていなかった。訪問しようとしていたノーベル平和賞ミュージアムがしまっていたり、取材予定のカフェが思ったより賑わっていなかったり。こうしたアンラッキーな日もある。曇天も相まってテンションも低めの日。
夜はお好み焼きを作った。もう何度目かわからない。流石に上手になってきた。Arneも喜んでくれてよかった。
来週から映画祭に行くらしい。日本映画もいくつか上映予定なんだとか。「君たちはどう生きるか」の翻訳が「The Boy and the Heron」なことに驚き。「怪物」と「Perfect Days」も上映されるらしい。私でさえも観てないのに、いいなあ。Arneの日本映画のお気に入りは「あん」らしい。私も世界各国の映画を観ておきたい。


10/11 (水)

朝からいそいそとパッキングやアイスランド行きの最終調整をする。Arneとも今日でお別れ。パートナーがお別れ後のバスの中でポロポロと涙をこぼしていた。「寂しいわけじゃないんだよ」と彼は言う。どうやら人の親切や温かみというものは、こうして誰かを涙させることができるらしい。特に大きな観光地には行かなかったノルウェーだけれど、こんな気持ちになれたことを忘れはしないだろう。
次の日の早朝便でアイスランドに向かうため、空港で眠る。椅子やベンチが少なくて冷たい空港だった。


10/12 (木)

アイスランド到着。この旅に出る前、一番感動したお気に入りの目的地といえばアイスランドだった。何かあるかと聞かれれば、自然以外特に何もない。でもそれで十分な場所なのだ。
レンタカーを借りて布団やガスコンロを調達し、最初の宿へと向かう。ホットタブが無料で利用可能で最高。こんなに気持ちがいいものに毎日入らないなんて、信じられない。後部座席をフルフラットにして眠りにつく。前日ほぼ徹夜だったこともありすぐに就寝。


10/13 (金)

足元が寒すぎて目が覚める。パートナーは眠れず半泣き。確かに車中泊は思ったよりもしんどい。創意工夫を凝らして今日からは助手席と運転席で眠ることに。
ゴールデンサークルの大自然を堪能。圧倒的な自然を目の前にして、人間の無力感や無意味さを感じる。人にフォーカスした旅をしているが、人は自然に住まわせてもらっている身であること、自然のほんの一部でしかないことを常に心に留めておきたい。
夜はオーロラを幸いにも鑑賞することができた。予報を見ながらベストな鑑賞スポットを探って手にした写真たち。二人でハイタッチをして満足した気持ちで就寝。助手席と運転席で寝たところ快眠。


10/14 (土)

今日も運良く晴れて、ドライブと観光を堪能できる日に。
両親に車中泊を告白したところ心配のラインが押し寄せる。心配性なのはわかるが、もう27歳の私でもわかりきっていることを投げつけられるのは気分が悪い。多分、自分の感情を深く掘ってみれば、そこには「信頼されていない悲しさ」があるのだと思う。
「心配性だから…」という言葉はつくづく便利な枕詞だ。免罪符として使えば、例え何を言ったとしても、拒絶する方が「親の心配を無碍にする悪者」に思えてくる。親に私の思考を全てを説明するのは今は骨が折れるので、自分は他者にやらないようにと心に留めておく。
イライラ、むかつき、怒り、を感じる一方で、感情が健全に動くことに満足感を覚える。思えば旅に出る前は異常に怒りをシャットダウンしていたような気がする。心のストレッチ、大事だ。


10/15 (日)

昨日だったか今日だったか、氷河を堪能した。しんと静まり返ったその空間にただ佇む氷河たち。荘厳という言葉がぴったりだった。人間からは感じ取ることのできない「圧」を体に感じた。このまま押し負けて、自分という存在がいなくなってもいいかもしれないな、と感じるほどだった。

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