『クリード 炎の宿敵』を観るためだけに、「ロッキー」シリーズ全部マジでみた方がいい
『ロッキー』シリーズ全作品(1〜6)と新シリーズ『クリード』(1、2)を一気見したので、レビューと合わせて一気に紹介。
ロッキー1
「さーて」(続編なんてあることしか考えていないよ前提の)伏線とも言えぬ、状況描写というか、種まきだけで終わったシリーズ第1作目。
まあ、軽微に導入として美しい映画ではあった。あとは、特有のイタリア訛り、ノリが象徴的だった。ってか、まだ公開当時、俺生まれてねえ....
ロッキー2
淡々と仕事をこなす精肉工場でのバイト作業。
なかなかキャッチできない鶏。
エイドリアンの出産。
人気すぎて、トレーニングしてるのに子供が大勢追いかけてくる。
まだ試合前なのに、国会議事堂的なところでのガッツポーズ。
これくらいのマインドセットが、幻冬舎・見城さんがいう「圧倒的努力は岩をも通す」の意味するところかもな。
アポロとの美しき分かち合い。
ロッキー3
水戸黄門よろしく、オチまでの物語構造が分かり切ってるのに、しっかりと楽しめる。だから、語り継がれる名作の地位に。
本作は1-2から続くコンテクストを引き受け、ミッキーの死、アポロのセコンドと、起承転結の波がしっかりとアンカリングされている。
マインドセットの栄枯盛衰。人間のままならなさ。
ショービジネスによって、隠され、ステージングされた真実。それでも諦めない不屈の魂。映画の幕の閉じ方が痺れる。
ロッキー4 炎の友情
アポロをリング上で文字通り殺戮したドラゴを絞めるべく、エイドリアンと子供をアメリカにおき、極寒のソビエトへ乗り込むロッキー。
"精神と時の部屋"さえも凍るかの地で、独り鍛錬に打ち込んでいく。ある日、バラックに戻ると、そこにはエイドリアンの姿が...。
いつだって時代の規定性を受ける"似非サイエンス”手法に基づく方法論に基礎づけされたトレーニングに励むドラゴを、野生のアニマル・スピリッツでロッキーはなぎ倒せるのだろうか?
ロッキー5 最後のドラマ
トミーの弟子入りだけでは、物語がもたない。
だから、息子の思春期反抗と和解を、別軸でのストーリーラインで走らせ、最後に交わらせることで、プロットに厚みが出てる。
総体として、『ロッキー』シリーズに通底する人生の”美しさ”は担保されてる。
ただ、やはりロッキー自身がリングに立たないと、どうしても物足りなさは残る。
ロッキー6 ザ・ファイナル
「ファイナル」が描くのは、終始、側でロッキーを支え続けたエイドリアンが逝ってしまった後の物語。
往年の吊るし肉殴りトレーニング、息子の成長、エイドリアンを失ってしまっからこそ深まる絆。
ラストシーン。ディクソンとのバトルで、過去シーズンの名場面が走馬灯のようにフラッシュバックしていく。
エイドリアンに、ミッキーに、若き日のポーリー。
「不滅の王者は最後の一試合を戦う力を残している」ーー。
こみ上げたあー。
クリード チャンプを継ぐ男
血の物語が底流することで、『ジョジョ』のような、物語に厚みと深みが出てる。
過去作品の名シーンのオマージュも随所に。
ロッキーシリーズの特徴は物語の幹となるプロットが決して単線的ではなく、並行して二つの物語、挑戦が進むこと。
本作であれば、クリードの王座挑戦と、ロッキーの闘病。その二つのストーリーは交差しながら、螺旋状にクライマックスへ向かっていく。
完成度高い。
クリード2炎の宿敵
心が震えるとは、まさにこのことで。ロッキーの一作目から脈々と受け継がれてきた、闘志と血の記憶と遺伝子が弾ける様子に、魂と涙腺がノックされ続ける。
地獄の先にしか、天国はない。
愛を突き詰めたり、死を恐れずに己にコミットし切った者にしか決して味わえない報酬と景色。人生の真理が詰め込まれてる。
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PHOTO via UNSPLASH
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