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写べん!#2 スキンレタッチについて

書籍、ネット問わず、スキンレタッチについて調べて、試している。
ほんの少しだが、明かりが見えてきたので、現段階での考察をメモとして残しておく。

最後は"美とは何か?問題"

これは最終的な問題にして最大の問題だが、レタッチテクニックを極めたとて、結局は「何を美しいと思うか」という問題にぶち当たる。シミもそばかすもシワも目の下のクマも、小顔にもアンジェリーナジョリーみたいなくちびるにも、できたとしても、「それを美しいと思うか」という最終的にはその人の美意識が「そうするかどうか」を決めることになる。
以上、講釈。

以下は、具体的なテクニックではなく、スキンレタッチの考え方について、自分の勉強したことを書いてます。

肌の美しさを決める2大要素

①肌表面の凹凸
②色

①肌表面の凹凸
わかりやすいのは、シワ、ニキビ、吹き出物、毛穴とか。あと、いわゆる「キメ」というやつ。目鼻立などの顔の造形=立体感のことではないです。「スキン」の表面の凹凸のことです。

言うまでもなく、この「凹凸」たちはない方が良い、ということになってます。

②色
いわゆる色ムラ。くすみや目の下のクマだったり、赤ら顔だったり、黄斑なんてのもあるかもです。顔は立体的なので、ハイライトからミッドトーン(中間調)がありシャドウがあります。そういう色のグラデーション(階調)がきれいに出るには、そもそもの肌にムラがなく均一な色をしてないといけません。

Frequency Separation

海外のサイトやYouTubeなどで「Skin」「Retouch」などで検索すると、だいたいこのFrequency Separationというテクニックが紹介されています。
日本語に訳すと「周波数分離」というみたいです。

周波数とは?
画像処理でいうところの「周波数」とは、輪郭やエッジの部分を「高周波」、のっぺりした部分を「低周波」という理解で事足ります。

肌でいうと、目の輪郭や鼻の穴とか、それこそニキビの輪郭とか、毛穴の凹凸とか、そういう部分です。

低周波はなだらかーな感じの部分のこと。自分的にはまあ、肌の色、ぐらいに理解してます。

このFrequency Separation(以下、FS)は、画像を高周波と低周波に分けて、別々に修正していく手法です。
何がいいかというと、肌をいきなりぼかしたり、明瞭度を下げただけの「レタッチ」では、肌のキメや階調というものが失われてしまうのですが、FSはその辺を繊細に調整しながら「色ムラは整えるけど、キメは残す」みたいな修正ができるというわけです。

逆に、色ムラはそのままだけどニキビやホクロは除去する、なんてこともできます。

Frequency Separationのバリエーション

同じFSでも、調べるとわかりますが、バリエーションがあります。高周波と低周波に分けるのは共通ですが、そのあとの処理に違いがあります。補修ブラシを使ったり、なげなわツールで選択してブラーをかけたり、ブラシで色を重ねて行ったり、などなど。
でも、基本は、低周波では「色ムラを整えている」とわかっていれば、どの手法を使うかも迷いが少なくなります。

ちなみに、高周波の方はいじらないものが多いです。FSする前に、下準備として、目立つニキビや肌荒れは、補修ブラシやコピースタンプで消しちゃってるパターンがほとんどです。

ですが、個人的には、FSしたあとに、高周波部分だけを補修していくのも使えるテクニックだと思ってます。特に、ほんとに細かい肌のブツブツとか。これはまだ研究中なのですが… 人の肌って「鳥肌」?みたいなのがあるじゃないですか、あれを自然にきれいにしたいんですよね…

高周波と低周波を理解すると、いろいろ見えてくるものあります。ハイパスフィルターとか補修ブラシとコピースタンプの違いとか。

肌の色について、もう少し:イエロー&ブルー

化粧品では美白が人気。メーカーによっては「白さ」ではなく「透明感」が大事、というところもある。確かに、色白とか透明感のある肌は、万人を魅了するパワーがある。

日本人の肌は、基本、オレンジ。イエローとか赤とかを含んでいる。白くしたいと思えば、イエローの補色であるブルーを加色してあげると、白くなる。やりすぎると「青白く」なる。日本語よくできてる。

補色とは色相関でいう反対の色。ブルーの反対は黄色。なので、TSUTAYAのロゴはイエローとブルー。グリーンの反対はレッド(マゼンダ)。

肌の色について、もう少し:階調について

写真にはハイライト、中間色、シャドウがある。人の顔の肌にもそれはある。
単に輝度を明るくして「飛ばした」肌は、アラは隠すかもしれないが、肌本来が持つ階調というものまで飛ばしてしまう。プリクラの写真や、女優ライトを当てた鈴木その子(古いなぁ)みたいになってしまう、ということ。

これを理解していれば、撮影時にも「肌をきれいに見せるために、ハイキーで」という発想にならない。階調を失わない露出で撮影しておいて、レタッチで、ニキビなどの消したい部分は消すという判断もできる。
こういうレタッチや現像の知識というのが撮影にフィードバックされる。というか、そういう知識なしで撮影しても上達しない。

女性は、顔を立体的に見せたがるので、ノーズやフェイスラインにメイクでシャドウを入れてる場合がままある。でも、下手なメイクをするくらいなら、何もせずに、現像やレタッチの段階でシャドウをつけてあげた方がきれいな気がする。
Dodge&Burnという肌の明暗を強調するテクニックも、海外サイトなどで多数紹介されています。

これもまだまだ模索中なのですが、このハイライト、中間色、シャドウを意識するとより肌の美しさに敏感になります。髪の毛とか、写真全体でも同じこと、言えますが。

まとめ?

海外サイトだとめちゃめちゃ出てくるのに、日本語だとFrequency Separationってほぼないんですよね。レタッチの技法などを公開してる人たちも、なぜかそれに触れない。使えないと思ってるから?難しくてわかんねーだろ、と思ってるから?謎です。

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