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グスタフと韓国二人旅

3歳2ヶ月の我が子グスタフを連れて、韓国に来ている。2泊3日とはいえ、初日は夜着、3日目は昼出発、滞在36時間の強行軍だ。

残念ながら、観光旅行ではない。
11月から韓国で再度働くための家探しと幼稚園探しだ。もちろん日本人がひとりでそんなことをできるはずもなく、韓国のエージェントが事前に探しておいてくれたところを巡回するだけだ。

普通なら(普通って何だ、というのはさておき)、第二子アマデを見ている愛妻にグスタフも任せて、私ひとりで来れば済む話かもしれない。
が、それは我が家のスタイルではない。まずグスタフが私に懐いているし、それに愛妻が同時に二人を見るのはちょっとキャパオーバーなのだ。私がグスタフ連れで韓国に来るのがベストなのは間違いない。グスタフも、パパと二人の旅行を楽しんでくれるに違いない。

その思いは今でも変わっていないが、今日は本当に大変な一日であった。オチがあるわけでもないが、今回の惨事を書き残しておく。

※ 食事中の方はここでお帰りください。

移動のみの初日からして、惨事が起こった。
滅多にないことなのに、グスタフが飛行機内でおしっこを漏らしたのだ。しかも着陸直前で、もはやトイレにも行かれないとき。さらに、通常なら抱っこなどしていないはずが、グスタフが耳が痛いと叫ぶものだから、抱っこしていたのだ。当然のように私のズボンも被害に。
空港に到着するやお着替えする羽目になった。

その後、混雑の中を2時間近く掛けてタクシーに乗り、目的の地へ。機内食をいただいたとはいえ、夕食を食べないわけにもいかず、外に出てうどんを食べて、夜寝るのがすっかり遅くなってしまった。

話は逸れるが機内食。
かつて小さい頃(0〜1歳時)のフライトではいつもベビーミールだったグスタフが、初めてキッズプレートをいただいた。これがまたかなり素晴らしい内容で、ANAのフライトに乗る3歳児には全力でオススメしたい。
事前にキッズプレートの内容がわからなかったので、安全策として私の食事は大人食ではなくてフルーツプラッタミールを予約しておいた。フルーツのみで構成される機内食だ。グスタフはフルーツ大好きなので、必要に応じて取り分けるつもりだった。今回も多少はシェアしたが、キッズプレートだけでもじゅうぶんだったかもしれない。

1泊目の夜中も何度かグスタフは目を覚ましていた。ベッドが固くて眠れないのかと思ったが、翌日の不調を見るに、体調を崩す予兆だったようだ。

2日目の朝。
韓国のホテルは、たとえどんな安宿でも朝食ビュッフェが充実している。初めて泊まったホテルであったが、今回もご多分に漏れずすごかった。どれくらいすごいかと言えば、朝食なのにプルコギやチャーハンがあるのだ。
逆に、韓国からの客人は、日本のビジネスホテルのパンとゆでたまごしかないような朝食に心底驚く、というのもよくあることだ。

朝食をいただいていたら、グスタフが突然リバースした。彼が言うには、りんごの皮がイヤだったらしい。
それで終わればよかったのだが、朝食中にふたたび大量リバース。こんなことはめずらしいのだが、ひょっとして体調が悪いのかも、と思いながら、家探しの旅に出た。

韓国では、日本と違って人がまだ住んでいるところを内見するのが一般的だ。日本だとほぼ必ずクリーニングが終わったあとの部屋を見ることになるが、そうするとどうしても決まるまでの間に誰も借りていない期間ができてしまう。
ところが韓国では、うまくいけば今の住人が出るときには次の借り手が決まっているのだ。これは貸し手としてはウェルカムな文化であると思われる。(もちろん、すぐに借り手が決まらなかった、誰も住んでいない家を案内されることもある。)

というわけで、人が住んでいる家(マンションとはいえ、どこも100㎡超だ。韓国は高層マンションが一般的で、狭い国土の割にはマンションは広い)を次々に(一日で15軒くらい内見するのが一般的だ)見ている間に事件は起こった。グスタフがとあるマンションのリビングでリバースしたのだ。わーお。
幸い、住人の方もとても良い方で、気にするなと言ってくれたのであるが、本当に申し訳なかった。

しかしそれにしても、韓国は小さい子どもや子育てしている親に優しい国だ。子どものことで文句を言う大人を見たことがないし、地下鉄などでベビーカーが躓こうものならスマホを見てるオジサンでも飛んでくる。妊婦さんや子連れへの席譲りも何の躊躇いもない。カフェなども子連れの受け入れ体制万全。日本は見習うべきところが多い。
それを思えば、住人の方がグスタフのリバースを当然のように受け入れてくれたのも文化なのかもしれない。

次の悲劇は移動中の車内で起こった。エージェントさんが用意してくれた車だ。私に抱っこされていたグスタフが私に向かってリバース。ワイシャツも吐瀉物まみれになった。トイレで多少のケアはしたものの、私もグスタフも着替えずには済まないレベルで、いったんホテルへ。
ランチは辛うじてビッグマックをいただき(グスタフはもちろんランチ抜き)、装いも新たに午後のツアーへ向かった。

2軒の英語幼稚園では、グスタフは初めて保育園に行ったときのような拒絶反応もチラと見せたが、事なきを得た。
午後のマンション内見でも、体調はかなり悪そうな瞬間はあったものの、リバースすることなく終了できた。
ただ、リバースこそないものの、身体は熱っぽく、時折苦しそうで、グスタフの調子が余りにも悪いため、この日の内見は予定の半分くらいで止めておいた。これでも限界だったと思う。

予定よりも2時間ほど早くホテルに戻り、とにかくグスタフを休ませることにした。
お部屋にいると落ち着いた感じのグスタフに「おなか空いた」と言われてしまうと何もあげないのがはばかられる。臨時食として用意しておいた、缶詰のアロエ(グスタフの大好物だ)と杏仁フルーツを食べさせた。

私もおなかが空いたものの、このホテルのレストランは朝食ビュッフェしかやってない(なんてこと!)。仕方なくグスタフと外出した。
以前住んていたときによく行っていたお店に入り、座ってメニューを見ていたらグスタフが怒り出し?、少ししてまたもやリバース! 午後には一度もリバースしてなかったので油断していた。こりゃあアロエと杏仁フルーツ全部出ちゃったな、という惨事であったが、ここでも店員さんたちは「ケンチャナヨ〜(大丈夫ですよ〜)」とにこやかに応対して心配してくれた。ホントにありがたかった。そして申し訳なかった。

結局そこで食事することは諦め、パン屋さんによってホテルに戻った。

その途中、銀行に寄った話も備忘メモとして残しておく。
何と、以前住んでいたときに作った銀行口座から、お金が下ろせなかったのだ。お恥ずかしい話だが私は韓国語が読めないので、出てきた伝票の写真を撮り、愛妻にLINEで送って読んでもらったところ「解約会員」と書いてあるそうな。
そんなバカな、と思ってキャッシュカードを見たら、有効期限が切れていた。なぜ銀行カードに有効期限があるんだ!(知らなかったよ!) クレジット機能もないのに! 残高はどこに行っちゃうんだ!
これは何一つ解決していないが、今は残高が戻ってくることを祈るしかない。

ホテルの部屋に戻ってからしばらくして、またもやグスタフが「おなか空いた〜」と。キミは喉元過ぎればあの苦痛を忘れるのか!

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