とんび

謎のやる気を出して映画館へ。といっても見たい映画があったわけでなく大きな画面で映画が見たくなったという程度。「たまには邦画の新作でもみたいなー」こんな感じで「とんび」を見る。事前情報は一切なし。

 まず感想としてあまりできのいい映画とは言えなかった。多分この映画で涙を流せる心清い人も世の中にはいるだろうが、少なくとも私には次々と現れる突っ込みどころと言うか気になるポイントを処理する事に忙しく泣いてる暇はなかった。特に何がひどいというよりはまんべんなく合格点に届いていなかった。まず脚本が薄い。あらすじは主人公ヤスさんが妻をなくし、シングルファザーとなりなんやかんやあって息子が上京し結婚し孫ができて終了。おおまかに表現するとこうである。ドラマがないよ!劇的じゃないよ!多分知り合い探したらこれより波瀾万丈な人生送ってる人見つかるね。まったく展開にドキドキしない、次の展開が常にこちらの予想を下回るのだ、前半はまどろっこしいのに後半は駆け足になってるし、シーンの随所に挟まれ阿部寛の男泣きで展開の弱さをうやむやにできると思ってないか。次に演技、キャスティングにも首をかしげるものだが、所々わざとらしい、やすけんと杏がちょっと…薬師丸ひろ子さんもあんなにメイン貼る女優じゃないと思う。失礼かもだけど。宇梶剛士さんも後半後半影うっすいし。阿部寛は顔かっこいいんでOK。そして最大の問題、美術。これがヤバイ。阿部寛が30代から60代ぐらいまで演じるのだが、全部メイクが同じ。昭和〇〇年みたいなテロップで場面展開するたびに全く同じメイクの阿部寛が出てくるのはどうにかならないのか。これでも十分評価は下がってるのだが、これを超えるのが北村匠海、これに関しては美術というかメイクというかそもそも企画がダメな気がする。同じ俳優に中学生から大体50代までやらせるのは無理がある。髭生やして髪染めてはい老けましたはドリフとやってること変わらんでしょう。色々ダメな点を指摘したが、結局原因は企画にあると思う。素材だけ見たら絶対面白いんだから。

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