#1 きっと一生付き合う人の話
5年ぶりくらいに、大学院の仲間二人に会った。
コロナのパンデミックとやらが世間的に終わり、初めての再会だった。
もう全員、それぞれの道を歩いていて、広いくくりで言えば同じ業界なのかもしれないけれど、直接的なつながりはない。性格も考え方も、正直自分とは見たら合うようで合わない。なんでこんなに付き合いが続いているのかも、もはやわからない。
入学時期もみな半年ずつ違う上、正確には出自もみな違う。
Aは、理由すら忘れたが本当は別の研究室所属、Bは某企業から来た謎の社会人大学院生、そして私は、当時珍しかったある研究手法がやたら慣れていたがため、ハントされてその研究室で勤務することになったのだが、その流れでいつぞやドロップアウトした博士をまたやり直すことになった。
いずれにせよ、ただ共通しているのは、たまたま同じ時期に同じ研究室に居合わせた。ただ、それだけ。
Aとの最初の会話は、細胞部屋での「いい天気ですね!」・・・謎の見当はずれな声をかけられ、正直、怪しいと思った。
Bとの最初の会話は、正直何をしゃべったのかすら覚えていない。東京から不定期に研究室に来る人だと、しばらくたってから気づいた。
年月を経て、いつの間にかAもBも、出世していた。会話も、二人の歩き格好も相変わらずだったが、後ろ姿は気のせいか頼もしかった。
この二人の話はそのうちまた書こうと思う。この先また一緒に仕事をしようがしまいが、きっとこのままこの関係はだらだらと続いていきそうな気がしなくもない。
二人がどう思っているかは知らないけれど。
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