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ドイツを目指してヒッチハイクしてる理由

ある日からドイツを目指してヒッチハイクをはじめました。

ドイツを目指す理由は、5年に1度開催される芸術祭「ドクメンタ」で、新プロジェクトのパフォーマンスをしたいと思ったから。

今年全然行く予定なかったんですが、大学の授業のゲストアーティストがドクメンタに出展中の栗林隆さんで、現場の話を聞いてたら超行きたくなっちゃいました。

※ドクメンタは世界三大芸術祭のひとつで、ここで展示できることは全アーティストの目標でもある

今年のドクメンタの芸術監督はインドネシアのコレクティブ、ルアンルパ。
西洋中心の美術界において、アジアの、しかもコレクティブが統括・運営を行うと。そして、スローガンは「No Art, Make Friends(アートをつくらずに、友達を作ろう)」

もうマジかと。ここまで行ったのかと。これまでアトリエで作品つくって飾って終わり…ではなく、開催期間中のいま、現在進行形で作品を作ってるらしいです。しかもその作品は、絵画や彫刻のような見て体験するものでなく、環境(プラットフォーム)を取り扱うものが多いそう。栗林さんは「元気炉」というみんなでサウナに入る作品をつくってます。

ドクメンタは9月末までドイツのカッセルで開催中です。戦争のニュースですらリアリティを持てない俺なので、賛否両論起こってる「No Art, Make Friends」というスローガンは本当なのかこの目で確かめたい。というか、行って見るだけとかつまらないから、新作のパフォーマンスを向こうでやりたい。今回のドクメンタの雰囲気的にできそうな気がする。宿は友達作ればなんとかなるんじゃねと。

というわけで、8月8日から1ヶ月ドイツに滞在するための航空券を取っていたのに、なぜかフライトが欠航になりました。理由も、お金が返ってくるかも不明。色々旅してきたけどこんなこと初めてです(たぶんコロナ)

安いけどKiwi.comで航空券は取らないことをすすめる😭

でも基本ポジティブバカなので、これまでスマホ1台で軽やかに海を超えてた分、「2年半ぶりの海外そんな簡単に行くな」という神からの啓示と捉え、マジもんのリベンジトラベルやってます。

島国日本人が海を超えるハードルは相当に高い。でも日本のヒッチハイクで、海外の国を掲げてはいけないというルールもありません。そんなことやってたら知り合いのベルリンのギャラリーから連絡きて、俺より先に作品がドイツに行くことになりました。あと全然会ってなかった旧友から「何やってんの?」と連絡来て、流れで会うことにもなった。

ドイツに行くの全然簡単ではないけど、その過程の偶然性に身を任せています。

そして本当にびっくりしたんですが、別件で、アーツカウンシル静岡の「マイクロアートワーケーション」というプログラム採択されて、同じエリアを旅することになった野口竜平さんという方、どんな人だろう?と思って調べてたら、日本から「ニューヨーク方面」と書いたヒッチハイクパフォーマンスを6年も前からやってた。

驚きすぎて膝から崩れ落ちた。泣いた。でも同時に少し嬉しかった。同じことを考えてた人がいる!!!(それでも美術的に先やられてたのめちゃくちゃ悔しい)

アメリカの青年には「現実に行き詰まったらとりあえず路上にでてみる」というような精神が脈々と受け継がれていましてね、今でも高速道路の入り口あたりには「Anywhere but here」と書いた若者が立っていたりしますよ。「ここではないどこかへ」という意味なんだけど、これはアメリカ文学を考える上でとても重要なキーワードです。アメリカの歴史は家を求めて西へ西へと移動してゆくとこから始まるでしょう。つまり予測のできない路上生活の連続であり、その記録からあの不思議な文学が生まれてきたとも言える。国土が広いのでね、移動そのものに楽しみや生き甲斐を見いだせるでしょうね。

https://note.com/mukadematuri/n/nbcf217527a08

「現実に行き詰まったらとりあえず路上にでてみる」は正に。フライトキャンセルなってどうしていいか分からんからとりあえずヒッチハイクしてみたら、色々起こって、なんかこうやって野口さんにも辿り着いて。

人生面白すぎます。ドイツ、行ったるぜ〜!

ここらはもう少し深ぼったドクメンタに行きたい理由と、やろうと思ってるパフォーマンスについて。

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