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本当に困った困った

気づけば2024年も2月6日、留学してから154日が経過。

年末に、念願のロードバイク(中古)を手に入れました。

運転が荒過ぎるパリのドライバー+信号無視しまくる歩行者を交わしながらの運転に慣れるのに1ヶ月かかりましたが、今では背中に羽が生えたような気分。スイスイと、どこにでも行けます。

しかし、肝心の行きたいところがどこにもないのです。

本当に、パリで行きたいところがない。3~4ヶ月で行き尽くしてしまったのかもしれない。いや知らないだけで魅力的な場所はたくさんあるだろうけど、俺の情報ではもうない。

ロードバイクを買っても、学校とスーパー、近所の図書館、少し遠出してダンスしに行くくらい。

では範囲を広げて、パリ以外のフランスの都市も、全然心が踊ってくれない。

「ヨーロッパたくさん旅行できるね!」みたいなこと言われると腹がたつ。別に行きたいところがなく(なんならどこも同じに見える)、じゃあ日本に帰りたいかと言われたら、別にそんなことも全然ない。

わからない。
わからないのです。

ただただ、退屈と頭の中を駆け巡る思考と闘っている。

"人間の不幸は、部屋でじっとしていられないから起こるのだ"

——ブレーズ・パスカル

ひとつ言えるのは、結局自分が本当に行きたいところは許可と資格がいるところ。

4月からはじまるVenice Biennaleも観に行けるけれど、そういうのじゃなくて、展示作家「331人」としてそこに行くには長い時間をかけて突破しなければハードルがあります。今の自分だと海外のアーティストインレジデンスを経験していきたいし、コンペティションを通過して展示の機会を獲得しなければならない。そういうの。

世界最強のパスポートを所有していて(2024年1月時点で同率1位)、肉体も健康で時間もあって、どこにでも行けてしまうからこそ、もはや地球の表層的な部分で行きたいところはどこにもなくて、というか20代でそうした欲望はおおむね満たし切ったと思います。

では、次に行きたいのは「誰もが行けない場所」というのは自然でしょう。

とにかくやれることは、淡々と日々研究・制作、公募資料の執筆、整理、etc…ただ、先の見えない未来ばかりに身も時間も投じるのはさすがに心すら消費します。

パリにあるブックオフには日本語書籍のコーナーもわずかにあるのですが、自分にとって面白くない本ばかり。主に語学、育児、投資、スピリチュアル…しかも10年前とかの本ばかり。

そんなクソみたいな本棚の中で無意識に手を伸ばしていたのは「30日間で、どんな問題も解決する法」という本で、自分でもおいおいマジかよと思ってしまいました。

さすがに解決とまでいかなくても、どんな問題も僅かな希望に繋がるのなら3.5€払って買ってやろうかと一瞬思ったけれど、余計惨めになりそうだったのでやめて家に帰りました。

ヘミングウェイ、めっちゃムカつく。

「移動祝祭日」に出てくる

“もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ。"

——アーネスト・ヘミングウェイ

お前黙れやと。笑

パリはなかなかにタフな街です。

物理的に行きたい場所がどこにもないから、これは俺の個人的問題なのではなく、街中に存在する「道」そのものをいま疑いにかかってます。そして、エリック・ローティの「偶然性・アイロニー・連帯」にビビビときてます。また、最近観た映画では「TAR/ター」に感動しました。

ぜひ、メンバーシップにお入りください。応援、めっちゃ嬉しいです!そして入ってくれてる方いつもありがとうございます。

今月は、海外公募で勝っていくためのライティングスキルとポートフォリオ作成に注力します。

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