第3章 僕は「ダンス」というスキルを捨てることにした


また大学時代の話に戻らせてもらうが、大学時代の僕なんて自分の手でお金を稼げるスキルなんて1つもなかった。

元々ファッションが好きだったので、フリーマーケットで自分のお店を出店〜とか、メルカリで着なくなった服を売る〜とか、ダンスのショーケースのギャラ〜とかはあったが、そんなものほぼ趣味の延長である。

一応、仲間にも恵まれたのもあってブレイクダンスで大学の頂点まで上り詰めた。この経歴を語ると多くの人に「ダンスというスキルがあるじゃないですか。なんでダンスを仕事にしなかったんですか?」と聞かれるのだが、ダンス単体で飯食えるやつなんて0.1%である。

ほとんどのダンサーが「フォトグラファー」や「映像クリエイター」「グラフィックデザイナー」「イベンター」「DJ」など、ダンス派生で稼いでるものの「ダンス単体」で食えているのはほんの一握りだ。

さらにダンサーの商業的な頂点は有名な歌手の「バックダンサー」である。マドンナの「バックダンサー」、安室奈美恵の「バックダンサー」...

今のカルチャーレベルでは「踊れるだけ」じゃ主役になれないのだ。例えばマイケル・ジャクソンのように、歌って踊れないとダメなのだ。

僕はたった1度の人生、自分が主人公でありたいし、誰かの後ろで踊る人生なんて絶対やだな、と単純に思った。自分が絶対に前に出たい。そういう性格なのである。

これがダンスで食うことを簡単に辞めた理由の1つである。

ダンサーが食えない理由はダンサーにある

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