本『自分の「異常性」に気づかない人たち: 病識と否認の心理』

本『自分の「異常性」に気づかない人たち: 病識と否認の心理』/ 西多昌規、読了。

精神科医が今まで診察してきた患者をもとに、病識欠如と否認についての考察を書いた本。いわゆる精神的な病によっておこる「異常な行動」を焦点に、解説している。この本で出てくる症例は、統合失調症、うつ病、双極性障害、自己愛型パーソナリティ障害、前頭側頭型認知症、自閉スペクトラム症、境界性パーソナリティ障害である。

正直なところ、「異常な行動」に身に覚えがありすぎて、精神的な病を抱えている立場としては読んでいて辛くなった。と同時に病識に対し、医者の立場からの感想も書かれていて、複雑な気持ちになった。まぁ自分の異常性に注意深く行動するしかないかな。自分が正常だと思っている行動こそ、疑ってみたほうがいいだろう。
本自体は読みやすい文体で書かれているので、多くの健常者には分かりやすい本だと思う。しかし精神的な病を抱えている人にはあまり薦められない本だと思う。コワい、コワい。


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