本『夜明けのすべて』/瀬尾まいこ

本『夜明けのすべて』 / 瀬尾まいこ、読了。

パニック障害の男子とPMSの女子の物語。

パニック障害持ちの自分としては、小説に出てくる主人公のパニック障害の症状と自分の症状の感じ方は少し違うかな、とは思った。私の場合、パニック障害の症状がでると、心臓がとにかくバクバクして耐えられない、という感じなので。

ただ、そういった些細な事はどうでもよいくらい、小説は素晴らしかった。
瀬尾まいこさんの書く主人公は何かいつも困難を抱えているが、必ず結末には救いがある。読んでいて勇気づけられる。
この小説の主人公達はおせっかいだが、それが大事だと思う。持病を持っている身からすると、色々な人のおせっかいに救われてきたとしみじみ感じる。

また、この小説は印象的な言葉も多い。
例えば仕事に関する表現。

「自分のできることをほんの少しでも、何かの役に立ててみたい、自分の中にある考えを、何かの形で表に出してみたい。そういう思いを、仕事は満たしてくれる。」

そうだよな。それが仕事のモチベーションだよな、と思わずうなずいてしまった。
こういった表現が瀬尾まいこさんは本当に上手い。

この作品は『ケイコ 目を澄ませて』の三宅唱監督によって映画化され、来月公開の予定である。そちらも楽しみである。


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