映画『ゴールデンカムイ』

映画『ゴールデンカムイ』
(2024年 / 日本)
原作: 野田サトル『ゴールデンカムイ』
脚本: 黒岩勉
監督: 久保茂昭
出演者:山﨑賢人、山田杏奈

アイヌのことを取り上げた漫画があると知ったのは、随分前のことだ。興味を持ち、読んでみた。とても面白かった。何より、アイヌ文化を丹念に調べてあることが良い作品だと思った。
その作品の実写化が本作である。

原作にかなり忠実に作ってあった。もちろん原作にはない、映画ならではの部分もあるが、うまく原作のエッセンスを映像化していた。
鑑賞する前は、主人公の山﨑賢人は優しい顔立ちすぎないかな、と一抹の不安があったが、その心配は不要であった。「不死身の杉元」をよく演じていたと思う。
アシㇼパの山田杏奈も適役だった。表情豊かに演じていて、原作のアシㇼパの特徴をよくつかんでいた。玉木宏の不気味さも好演だったし、配役については文句なしだった。
北海道の自然のスケールの広さも感じられたし、映画後半のそりの上での格闘シーンも見応えがあった。

ただ、原作を知っているから、私にとって面白い映画だったという気もする。原作を知らない人がこの映画をみて、どこまで面白がってくれるのだろうか、という部分が若干気になった。決して入口が狭い映画ではないが、この映画は続編が作られるのだろうということを前提に作られている。その為、主要な登場人物が多く、その大半がこの映画では「まずは紹介」という感じで出ている。何の前提知識を持っていない人がこの映画を見て、登場人物の多さに混乱しないかな、とは思った。私の杞憂にすぎなければいいのだが。

原作を読んだ方にはお薦めできる映画である。


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