映画『PERFECT DAYS』

映画『PERFECT DAYS』
(2023年 日本・ドイツ)
監督 ヴィム・ヴェンダース
脚本 ヴィム・ヴェンダース、高崎卓馬
製作 柳井康治
製作総指揮 役所広司
出演者 役所広司、柄本時生、中野有紗、田中泯、三浦友和

公共トイレを掃除する男の日常を描いた作品。
映像に無駄がない、素晴らしい作品だった。
映画『すばらしき世界』でも思ったが、社会の下層で暮らす人を見事に演じる役所広司が素晴らしい。日常を大切にし、仕事は手を抜かない。比較的寡黙な主人公だが、決して人嫌いではなく、むしろ周りの人に優しい。独身で子供もいない、経済的に困窮しているわけではないが、そんなに豊かでもない主人公の世界を見事に描いている。

また音楽もよい。主人公が移動している時に流れる曲は昔のフォーク・ロックを選曲しているが、これが映像によくマッチしている。

ヴィム・ヴェンダースが描く東京は、懐かしく、少し切ない世界だ。Webにアップされているインタビューをみると、やはり小津映画を意識しているようだ。静かに進むこの映画は小津映画に似ている部分もあるが、しかしヴィム・ヴェンダースの映画、ロード・ムービーであると思った。

今年最初の映画にこの作品が観られて良かったと思った。


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