葬儀社社員の鞄はどんなもので、中には何が入っているのか
葬儀社に勤める社員は、仕事で使う道具を入れた「受付鞄」を手にして葬儀の打ち合わせに向かいます。
この受付鞄は、多くの企業で営業職が使う「渉外鞄」と同じものです。
なかなか見ることができない葬儀の裏側。
今回は、葬儀社社員の受付鞄と、その中身についてお話したいと思います。
なお、ここに記すものは、あくまでも一例です。葬儀社や社員の考え方、地域の風習によって異なる部分があります。予めご了承ください。
受付鞄の大きさや見た目、種類
大きさは、一般的なビジネスバッグと同じです。僕が勤めていた葬儀社では、主にB4サイズのソフトアタッシュケースが、受付鞄として使われていました。
種類などは、厳密に定められてはいませんでした。しかし、ほとんどの先輩方は、床に置いた時に自立するタイプのものを使っていました。
なお、色は定められていませんでしたが、ほぼ黒一色のものばかりでした。
Amazonで「ソフトアタッシュケース b4」などで検索しますと、似たようなソフトアタッシュケースが出てきます。価格は6千円~1万円ちょっとです。
一番近いといえる鞄は、こちらです。
ちなみにですが、僕は退職する半年くらい前から、それまで使っていた古い鞄からフライトケース(パイロットケースともいう)に変わりました。
実際に僕が使っていたのは、おそらくこれです。
B4のソフトアタッシュケースに比べて、フライトケースは重たくて持ち運ぶのは少々大変でした。
しかし、おかげでフライトケースの長所と短所が分かり、仕事では非常に重宝しました。
フライトケースは、
・大容量で仕事道具以外に、長財布もペットボトル飲料も携帯充電器も楽に入った!
・重厚だから机の代わりにもなった!
・鞄が雨で濡れても、中身は絶対に濡れない!
・営業車の助手席の床部分に置くと、急ブレーキを踏んでも倒れない!
・狭いスペースにも立てて置ける!
など、大変便利でした。
欠点といえば、手に持ったまま鞄の中身を取り出せないことくらいでしたが、そもそもそんな機会はまず無いです。
これ以降、僕はフライトケースがお気に入りになってしまいました。今は所有していませんが、また手にしたいと時々Amazonを見て気に入ったものに目星を付けています。
受付鞄の中に入っている葬儀社社員の仕事道具
さて、そんな受付鞄の中身はいったいどんなものが入っているのでしょうか?
僕は受付鞄の中に、以下のものを入れていました。
・アプローチブック(祭壇の写真、返礼品のパンフレット、料理のパンフレットなど打ち合わせに必要な資料を詰め込んだファイル)
・家紋帳(様々な家紋が載っているファイル。この中から家紋を探す)
・遺影写真の冊子(ここから遺影写真の背景と衣服の着せ替えを選んでいただく)
・価格表(祭壇から小物まで、取り扱っているものの価格が全て記載されている)
・受注書(葬儀の受付や打ち合わせで使う書類、発注書、葬家に渡すパンフレットなどがひとまとめになっている)
・お剃刀(禅宗などでお坊さんが故人様を仏にするための儀式で使う、偽物のかみそり)
・ライター(ローソクや線香に火をつけるため)
・予備の守り刀(木でできていて、そのまま棺に入れて一緒に火葬できる優れもの)
・100円ショップで購入したルーペ(遺影写真に使う元となる写真を確認するために使用)
・折り紙(メモリアルコーナーを作成する際に、遺族に使ってもらうため)
・文房具(予備のボールペン、はさみ、カッターナイフ、サインペンなど)
・100円ショップで購入したファスナーがついたビニール製の袋(領収書や受け取った生花代など小口現金を一時的に入れておくため)
・携帯用充電器(私物。スマートフォンの充電切れ防止のため)
たくさんありますが、主にこのようなものを入れて持ち歩いていました。
これらの中で、黒い太字にしたものは、全員が必ず持ち歩いていました。会社から貸与された仕事道具であり、持って行かないと受付ができないためです。
また、人それぞれで中身は少しずつ異なってきますが、先輩方も同じような内容物でした。
中には私物のタブレット端末を一緒に持ち歩いている人も居ました。スマートフォンよりも、地図などが見やすいという理由で、重宝するということでした。
文房具など他の仕事でも共通して使うものから、お剃刀といった葬儀業界でないとまず使うことが無いようなものまで、様々なものがあることをご理解いただけたかと思います。
次回は、僕が常に持ち歩いていた「葬儀社社員がスーツに入れていたもの」についてお話したいと思います。
それではっ!
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