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最推しが引退した話

 にじさんじトップを走る一翼となっていた鈴原るる。惜しまれつつ引退されたラスト配信、6/30。あれからもう一週間です。

 鈴原るるがいかに魅力的だったかを語り尽くしてもキリがないので、にじさんじが一期生しかいなかった頃からVファンやってた比較的古参勢として、推しの引退との向き合い方についてつらつら書いていこうと思います。

 なにせ私、にじさんじでもSEEDs・ゲーマーズ・その後順次組を見送り、さらにあにまーれ・ハニスト・ホロライブ・どっとライブアイドル部、ゲーム部とロングヘア道明寺ここあ、その他個人勢……とひたすら見送り続けてきましたからね……!

(ちなみに、イラストはメトロポリタン美術館オープンアクセス画像から「George Mooreの肖像」です。今こんな目してる)


Vtuber活動は「いつか終わる」

 V界隈に衝撃を与えた樋口楓1stライブ「KANA-DERO」。あの伝説を聞いたことがある人も多いでしょう。

 3Dモデルのパフォーマンスと生バンド演奏。
 以降のVtuberにおける「リアルイベント」「ライブ」の方向性を示してみせた、異例のリアル会場・有料チケットによるバーチャルタレントのライブイベントでした(初音ミクのライブなど類縁の前例はあったとはいえ、ライブ配信活動者としてかなりの挑戦だったと思います)。

 吹奏楽部らしい肺活量に支えられた、直接聴衆に叩きつけられるようなパワーあふれる歌声。ファンメイドの曲を歌い上げる双方向性。そして樋口楓・月ノ美兎両名による叫ぶような「命に嫌われている」……。

 ライブ終わりに打ち出された樋口楓からのメッセージには「いつか終わりは来る」という言葉が含まれていました。その上でファンと向き合い共に進む力強い信念が綴られた、樋口楓らしいメッセージでした。

 樋口楓は当時、月ノ美兎とのコラボ配信などでたびたび「死ぬまでにやりたいことリスト作ってる」「死ぬの怖いよね」などと終わりを意識した会話を交わしていました。雑談配信でも「Vtuber活動はずっと続けられるものじゃない」という話も。
 この活動は楽しいし、ファンのみんなのおかげでありがたいことに収入もあるけど、一生続けていくかというとそれはない。中にはずっと続けていく人もいるのかもしれないけど、そういう人は少ないと思うし、少なくとも私はいつか辞めると思う。

 細かい言い回しは覚えていませんが、大意はそのようなことを語っておられたと思います。辞めるつもりないけどね、と念押しした上で。

 このメッセージはにじさんじ合同楽曲「Virtual to Live」にも込められています。どうしようもなく今を生きてる。
 にじさんじの一部として確かに込められているものでした。


いつかが来てしまったときに

 さて本題。いつかのはずだった引退を迎えてしまった私たちはどうすればいいのか?
 まあ、どうするもこうするもないんですが。幸せを祈って見送るしかありません。

 最も良い手は推しと近しかった配信者を巡ることです。
 推しとの別れを惜しんでくれる言葉を聞き、つらさを分かち合うことで救われる気持ちがあります。

 何か目標を立てるのもオススメです。
 イラストタグに投稿するのを目標に絵の練習を始めてみたり、歌枠で歌っていた曲を弾けるようにギターの練習を始めてみたり。
 それらに限らず、以前からやってみたかったけどやらずにいたこと、途中で諦めてしまっていたこと……登山でもサイクリングでも一人焼肉でも、何でもいいから始めてみるのがいいと思います。
 推しからもらったエネルギーでこんなことを成し遂げたぞ、と。そう胸を張って言えるように。

 また推しVtuberを増やすのも良い手です。
 そこは別の生活と別の努力があります。きっと新しい日常を形作る手助けになってくれるでしょう。


 ひとつ言わねばならないのですが、単推しは危険です。
 推しからもらったエネルギーを、推しのために使って返す関係は一見魅力的にも見えます。ですが実のところ、かなり歪です。
 多数に向けて惜しげもなく向けられる気持ちに対して、たった一人に向けて注ぐ気持ちを返しているわけですから。
 推しが引退してもなお単推しを頑なに守ろうとすると、推しにもらったエネルギーを返す先がなくなって行き詰まります。最悪の場合、「最後に直接お礼を言いたい」……なーんて行動力を発揮してしまうことも……。
 心の健康のためにも推しは増やしましょう。

隙自語

 しかし、この界隈。見守っていると本当に色々なことが起こります。

 一口に引退と言っても、ポジティブな、次のステップに進むための引退である場合もありました。

 炎上・トラブルによる不本意な休止、引退を余儀なくされる場合も。
 運営がVtuber事業から撤退するので伴って活動終了となってしまった例もあります。逆に運営が撤退したのでチャンネルやモデルなどを引き取って個人勢として活動している例も知っています(すげぇ)。

 理由不明、説明としてなかなか不完全なものを残して突然引退していってしまう人もいます。かと思えば、違う名義で精力的に活動して物凄い成果を上げている、なんてことも(すげぇ)。
 あるいは、転生後は尻すぼみ気味に活動が鈍化してしまう人もいました。

 本当いろんなことが起こります。世界は広い。
 そんな世界で心から「応援したい」と思える人と出会えることの、なんという幸福でしょう。

 次のステージに向かっていったかつて推しだった皆々様には、どうか健やかで幸福な未来を迎えてほしいと思います。
 そんな大雑把な祈りを込めて。

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