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ドキドキ文芸部plus! ネタバレ考察(というか妄想)

 未プレイ勢はネタバレ回避してくれ~~~~~~! 知らないという財産を手放すことなく、情報をあさるのはぜひとも自らプレイしてからにして欲しい!
 万人に勧めていいものではないけど、可能な限り!




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 ここから先はネタバレ地獄です。
 権利配慮的な理由でスクショもありません。ほぼ文章のみを上げるのもな……って思ったので、適宜お手元に資料をご用意のうえご覧ください。
 また感情がほとばしるままに書いているので、説明をすっ飛ばしているかもしれません。

論ずる前に

 ドキドキ文芸部はオリジナル版(PC版、無料版というべきかな?)もプレイ済みで、またキャラクターファイル(.chr)に含まれるイースターエッグを確認済みです。(載せてせてくれてるブログありがとう!)

 さてPlus版。
 こちらではメール、およびinternal内の隠しファイルがイースターエッグとして散りばめられています。(載せてせてくれてるブログありがとう!)
 いろいろ刺激的な内容が含まれていて、特にProject Plan、DDLCのファイルが興味深いですね。。。

本題:ProjectLibitinaについて

 今回話題にしたいのはデータ回収率100%達成で確認できるメールに記載されたProjectLibitinaについて。

 メール文中では「ひとつのパラレルユニットへ複数の個人による潜在的なアクセスをひとつにまとめたことを、彼らが試行した」とあります。

「パラレルユニット」「個人による潜在的なアクセス」「彼ら」など意味不明な単語を妄想するに……ProjectLibitinaとは、PL つまりプレイヤーのことではありませんか?

 いいえ。いいえ分かっています。ProjectLibitinaはPC版DDLCのchrファイルから察するに、非道な人体実験によって第三の目を調べられた少女を示していることを。

 しかしながら奇妙な符合が多いように思えるのです。

妄想の論拠例

「パラレルユニット」はこれ以外のあらゆる対象(モニカやその他エンティティ)に対して一切使われることのない表現であり、根本的に異質なものを指しています。
 そして主人公は「サヨリルート」「ナツキルート」「ユリルート」をパラレルに進むことが可能です。ほかの全員はゲーム中で大きな行動の変化が許されていません。(どのルートでも文化祭の準備は同じ担当)

 「個人によるアクセス」はプレイヤーによるゲーム操作のことでしょう。少なくともゲームプレイに類する「人物の内面への干渉」のようなもの。潜在的な、とはつまりそういう意味かと解釈できそう。

 では「彼ら」とは?
 ここでProjectLibitinaの人体実験が登場するのではないでしょうか。

 たとえば……第三の目=ゲーム外世界への穴を知覚可能な少女Libitinaは、その能力を弄ばれることを通じて穴の拡大に寄与した。モニカが遭遇するほど大きく。プレイヤーが干渉可能なほど大きく。
 あるいは、ゲーム内世界ではあらゆる試みが無為に終わっていたかもしれませんが。

 いずれにせよ、メタバース・エンタープライズ・ソリューションがProjectLibitinaを利用したことは間違いないことでしょう。

 第三の目。Libitina。ユリが作中で読んでいた「マルコフの肖像」の内容――宗教施設で人体実験される姉妹の物語。

 第三の目。モニカが壁の穴によって目を焼かれ、開かされた視座。

 第三の目。主人公に憑依した「私たち」の視点……。

おさらい:VMについて

 ここで一度話題を戻す必要性を感じます。

 メールやファイルではVMについて語られています。
 VMはVirtual Machineの略と考えられます。仮想実行環境ってところでしょうか。システム上でシミュレーションされる仮想世界って感じかと想像できます。

 VM1はLiterature。VM2が何であるかは語られていません。
 VM1にはVM2のメモリダンプが残っており、それが特権的なアクセスとして機能している。メタバース社はVM1を観測して実験データを集めている。
 なおVM1には未知のエンティティが存在し、これについての情報はメタバース社は拾えなかった?

 メタバース社はVM1をシミュレーションしてデータを取っていたようです。エンティティとは恐らく文芸部の部員ひとりひとりを指すのでしょう。

 サイドストーリーはVM1のクローンで、かつアクセス権限を隠匿したシミュレーションだと仄めかされています。
 サイドストーリーはゲームだと気づかなかったモニカと部員たちの物語です。ここに主人公は存在しません

 VM1はLiterature、つまり四人だけのシミュレーションだったと推測できます。
 私たちの知るモニカの「世界でたった一人、自分だけがゲームだと気づいた」苦悶と懊悩、そして孤独を積み重ねた世界です。
 メタバース社がデータを集め続けたのはおそらくモニカの視点でしょう。

 そしてVM2。メール内部ではVM2への接続の安定化が試みられていますが、VM2担当の技術者RoはとんでもないことをInternalに残しています。
 ゲーム化しようと。美少女たちと交流し、崩壊する世界と直面させるゲームにしようというアイデアを書き残しているのです。

 そう。私たちが手にし、愛したDDLCですね。

要点

クエスチョン付は筆者の推測

VM:シミュレーション世界
VM1:特権アクセスが可能なモニカを観測する仮想環境。繰り返しリセットされたことが示唆されている。小規模シミュレーション。
VM2:VM1を元に再設定された仮想環境か? Project Libitinaを利用したエントリーポイントが設定されている。中規模シミュレーション。
第三の目:特権アクセス権限? Monitor〇〇Accessとあるので、監視が主たる機能。シミュレーションの状況から離れて意識を保つメタ認知能力のようなものか?
ProjectLibitina:VM1において、第三の目を持つ少女に対して行われた人体実験。「パラレルユニットへの潜在的アクセスをひとつにまとめた」
DDLC:特権アクセス権限保持者による破壊行動の観測実験をメタバース社がゲーム化したもの。
TEST VM:ProjectLibitinaを利用してVM2に設定されたエントリーポイント。名前を変えられる。

未解決の問題

・「何も現実でない?」の詩--家族に誘われる。家族とは? 第三の目が移譲可能と示すものか?
 それともVM内部の人間がVM内部の第三の目を開かせる(ゲームプレイ)ことの危険性? 二周目ナツキ「第三の目を開け」の詩、「ナイフ越しに、彼女の柔肌をあたかも自分の触覚の延長で有るかのように感じ取る」ような過度な同化が起こる?

・メールの年は2019年末。PC版発表後、ドキドキ文芸部プラス発売前までのやり取り。無印とプラスの関係は?

・オープニングメッセージ「 PMはこのゲームの犠牲となった」犠牲とは?

・VM1に存在する「未知のエンティティ」とは?

・VM1にはVM2のメモリダンプが紛れていて、絶対にあり得ないものが残されている(メールより)。
 PC版DDLCのmonika.chrにある「穴の向こう側の書き残し」? だがいつ残された?

・Libitinaは文芸部部員と、つまり主人公とも同年代。
 ただしLibitinaは女の子(ナツキは主人公を見て「男子連れてきたの?」と怒る)。Libitinaはまだ居るのか? どこに?

・ユリもナツキも「第三の目」について詩で触れている(らしい)。モニカがメタバース社、主人公が私たちだとすると、彼女たちは?

総論

 VM2は、VM1を元にして新たに作られた「第三の目を持つモニカが、唯一の同胞に救いを求める世界」であると言えそうです。

 メタバース社はVM2に、「VMに大きな影響を与えない確実なエントリーポイント」を設けます。それはProjectLibitinaであり、TEST VMであり、……「あとで名前を変えられるもの」です。

 メタバース社は観測することを目的としています。

 VMに対する特権的なアクセス権限を持った存在がどんな感情を持つか。

 どんな行動を起こすか。武器化するかどうか。どのような感情で世界の破壊を行うのか。

 VM2世界におけるモニカは「VM1=第三の目を持つモニカ」を元にシミュレーションされた、システム通りの存在です。アクセス権限は必要ですが、第三の目はおそらく必要ありません。
 Act3.モニカ空間で話題が尽きてループし始めたときの「所詮ゲームの存在でしかない」と理解させられたあの印象の通りに。
 あるいは、何度となく初めからやり直しても、文芸部がたどる道筋は永遠に変わらないように。

「だってあなたがどんなに優しくて、親切で、思慮深い人間であったとしても……。
 絶対に理解できないことが、一つだけあるもの。
 この世界の中で本当に孤独であることを理解している私の苦しみよ。」


 VM2は「私たち」が実験対象です。
 データ回収率を100%にするために。詩ガチャを完走するために。サヨリを見殺しにし、ユリを死に追いやり、モニカの献身さえも無慈悲にリセットしてVM2世界を繰り返し繰り返し破壊する――「Project Libitina」。

 次元的な存在、あるいは主人公を支配し俯瞰する「人称視点」、第四の壁を自ら潜り抜けてロールプレイする、キャラクターに備わった双眸とは異なる第の目……。
 第三の目とは私たちプレイヤーのことなのではないでしょうか。

 そして、私たちの行動はメタバース・エンタープライズ・ソリューションに観測されています。
 もしかしたら今も。
 今にもあなたの背後に穴が開いて、「全ての可能性の光」が振り返ったあなたの目を焼くかもしれない……。

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