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本の感想(ネタバレあり)

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読んだ本の感想を勝手に呟きます。
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2019年12月の記事一覧

川端康成短編の感想作文(毒舌アリ)

「伊豆の踊り子」を読んだわけだが、この有名な表題作を私はこれまで読んでいなかったらしく、随分新鮮な気持ちで読めた。文章美しいし、ラストの主人公の涙にも共感出来ない事はない。だがしかし、主人公の一高エリート臭というか選民思想がまず鼻につく。実質両想いであるところの踊り子とは最初から身分違いで、いずれ別れがやってくるところをやけに達観して受け入れるとこなど、そういう時代だったんだとは思うが、鴎外の「舞

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旅芸人のいた風景/沖浦和光 感想文

2007年第一刷の文春新書。沖浦先生は2015年に亡くなられていて、いまウィキでみたら、単独での著作としては、生前最後の本だった。

(目次)
・街道に生きる遊芸人
・川端康成「伊豆の踊り子」、宝塚歌劇、修験道の行場
・芝居村と活動写真館、最後の役者村・播州高室
・香具師は縁日な花形だった
・医薬業と呪術の世界
・遊芸人を抑圧した明治新政府
・旅芸人の生きてきた世界
・「道々の者」への挽歌

など

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甘い生活/木原音瀬 ネタバレ有り感想

初出は1998年。単行本化は2001年。まあ、古いな。20年前か。私ナニしてたかな、20年前。あー、とあるバカ企業の正社員で働いてて、体調崩しまくった末についに鬱でひっくり返って病院行ってた頃だわ(笑)だんだん思い出してきたけど、「ストレスは溜める方が悪い」と上司に言われたんだっけな。

まあそんなことはどうでもいいのだ。
なんだかんだで結構読んでいる、この作者の本。なぜならば、以前まんだらけに行

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FLOWER/木原音瀬(ネタバレ感想文)

引き続き入院中につき、積読置き場から持ってきた本を読んでいる。

表題の小説は、短編というか中編サイズで、まあこの作者らしいといえばらしい作風であった。
ほかに四作があるが、それらについては割愛する。

表題作の面白いところは、いわゆるサイコパスを主人公に持ってきたところだが、簡単に言うとそのサイコパスを本気で愛してしまった人がいて、その愛にサイコパスが気付いておしまい、という、まあ身も蓋もない書

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とあるBL小説読了(毒吐き)

入院中で、一時帰宅するたびに積読してあった本を持ってきてる。この本も、べんきょーのために古本屋で買ってそのまま積読置き場に居た本。一応入院中の目的は、まあ体調をなおすのが一番なんだが、あと、原稿をすることで、そっちをメインにしてたんだが、やはり病院という環境がよくないのか、うまくいかないので、ちょっと気分を変えてみようと思って、こないだの一時帰宅の時に持ってきた。

深呼吸/木原音瀬

えーと、ま

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