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剣城かえで
2023年11月12日 20:15
薄ぼんやりと煤を上げて、めらめらと燃える蝋燭が宙に浮きながら血を滴らせていた。赤い蝋燭の血が、祭壇に近づくものを焼き払いながら、そこに横たわる薔薇の香りを守り鎖していた。力ない軀を祭壇に横たえているのは、麗人だった。凛々しい柳眉を物憂げに、鋭い険のある眦の明眸を明滅させ、長い睫毛が傲慢に瞳に影を塗る、美貌。至高と崇高を兼ね備える高貴は、誰の目に映ろうと美を顕然かつ客観的事実として焼き付ける。緩く