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2023年、我々は3連勝を成し遂げたか?

こんにちは、ライトライト代表取締役の齋藤隆太です。年の瀬ですね。
今年で39歳になりました。来年は不惑の40。

孔子は著書「論語」の中で40にして惑わず、と言ったそうです。不惑と聞くと、何やら予期せぬ出来事が置きそうな雰囲気もまといますが、正しい意味では「迷う、惑うことがなくなる」つまり、本当の意味で経験や勉学から人として立ってくる時期とのこと。そうなんですかね。

一年の終わりに代表から今年の振り返りと来年の展望を伝えてほしいという社内からのリクエストを受けました。2023年に起こったことを振り返りつつ感想をまとめてみようと思います。

そしてタイトルですが、弊社の今期のスローガンは「3連勝」でした。これを読む社内のメンバーは、スローガンを思い出し、ぜひ自分自身も振り返ってみて頂きたいと思います。

2023年の方針を示した一枚。眩しい

世界へ発信🗽

2023年は、relayがNewYorkTimesに掲載頂くという年明けでした!

relayは、潜在的なバイヤーのコミュニティと目的意識にアピールすることで、事業を差別化した。牧歌的な畑の前で輝く所有者をフィーチャーしたそのリストは、都会で忙しい日々を送りながら、異なるライフスタイルを夢見る人たちにアピールするように設計されている。

The NewYorkTimes

2020年に宮崎の住宅地の戸建ての一室からスタートしたサービスでしたが、3年やると色んなことが起こるんだな〜と実感しましたし、課題先進国の日本で起きている社会課題は、世界でも注目に値するんだなと。世界に先駆けで人口減が進んでいる日本で起こる社会課題の解決手法は、今後グローバルに輸出できるものも生まれてくるかもしれませんね。relayも頑張ろ!

宮崎から世界へ、と決意した夜もあったかもしれない

資金調達💰

2023年8〜9月にかけて、プレシリーズAラウンドとして資金調達を実施しました。

会社として資金調達の発表をしたのは二度目。2022年4月に株式会社ストライクさまと資本業務提携したとき以来です。

本格的に外部株主さまがぐんと増えたのは初めてで、今回VCさんを中心に全部で30くらいの皆さまとお話させていただきました。

今回の資金調達、自分にとって大きな学びの機会となりました。
振り返って特に2つ強く思ったことがあります。過去の自分に教えてあげたい。

1.余計なこと言わない

よく資金調達に関する記事を読むと「事業のビジョンや大きな事業絵図が大切」といったたぐいのありがたい教えが出てきている印象を持っていた僕は、資金調達活動の開始当初、relayの先にある大きな未来の姿を伝えることが中心のピッチ構成でした。

今数字が上がっている事業より、「今はまだない」機能やサービス展開でこんな未来をつくるんだ!というまさに大風呂敷を広げていたのです。でも、面白いねと言って頂けるものの、一向に次の検討ステップに進まない・・・

何度も壁打ちしてもらっていた方にも次のステップに進むことさえ厳しいというお返事を頂いてしまいました。

relayのことをよく理解して頂いていた相手だっただけに、ショックも大きく、今にも膝から崩れ落ちてしまいそうだったことを覚えています(いやたぶん知らぬ間に崩れ落ちていたかもしれない・・・弱い人間

資金調達のつらいなしんどいなと思ったところは、断られた相手に指摘されたことから分析して事業や計画の見直ししていかねばならないということ。それをPMF前のフェーズではほぼほぼ代表が考え抜かないといけないということもあるかなと思います。とても胆力を要しました。

「つらっ・・・でもここで自分が頑張らないと会社が終わる・・・考えるとまたつらっ・・・」の繰り返し。

僕は役員(特にCOOの妻)に泣き言を言いまくっていたので大丈夫でしたが、起業家のメンタルヘルスに関するサービスも多数あるように、やっぱり資金調達は起業家にとってなかなかしんどい作業の一つだなと実感しました。

botにも 気を使われる 始末かな

しんどい中でしたが、何がよくなかったか振り返ったときに、おそらく自分自身も解像度の低い未来にフォーカスしすぎており、ディスカッションのピントがいつまでも合わなかったことがダメだったのかもと考えました。

そこで「余計なこと言いすぎてるかな」と未来の事柄に関してバサッとピッチ構成から外したのです。

そのあとから徐々に今やってる事業の延長線上にある未来の細かい議論にシフトでき、少しづつ検討が前に進んでいきました。

人間も事業も一緒で余計なことは言い過ぎないほうがいいみたいですね。
家庭でもだよ!(自戒

2.相性ってのがある

今回の資金調達ラウンドではグロービスさんが運営する社会インパクトファンドKIBOWさんがリード投資家となってくださいました。デューデリジェンスの一環で宮崎にもわざわざ来て頂きました!

「社会インパクトファンド」は、経済的なリターンだけでなく「社会インパクト」と呼ばれる指標の成長も経済的リターンと同等に重要視するという投資方針があります。

relayは後継者の不足による小規模事業者の廃業は、地域衰退を招く大きな社会課題だと捉えて事業を行っています。その性質上どうしても社会起業家のような見られ方をするなあと感じていました。

もちろんすべての投資家の皆さまが経済的リターンのみを追求しているわけではないのですが、一般的な投資家の皆様から見ると弊社よりも魅力のある分野に投資したほうが経済的リターンが大きく得られるというのは往々にしてあるわけです。

「そのような皆さまが敢えてrelayに投資する理由って何・・?」と自分でも半分わかりつつ資金調達に臨んでいました。結果30近い皆さまとお話してわかったことは、

「経済リターンと同時に、(自社の)興味のある範疇にあるか、が大切」

ということです。弊社が描くような未来と全く別の未来にベットするVCさまや事業会社さまも当然あり、それは単なる相性のようなものだなと思えました。

例えば今回リード投資してくださったKIBOWさんは東日本大震災での被災地での活動を源流に持たれるファンドで、日本の深い社会課題の解決が大きな投資方針になっていますし、宮崎太陽銀行の投資機関である宮崎太陽キャピタルさんは「宮崎という地域に活力を与える会社への投資」という基準を持たれています。

KIBOWさんと作成したものを弊社デザイナーが整理してくれたrelayのロジックモデル
これを整理したことでメンバーの共通認識ができた

VCさんと話して、お断りがあるたびに「自分の事業はやってる意味があるんだろうか・・?」と暗いトンネルを歩きつづける日々でしたが、今回の資金調達を経て事業の是非だけではなく相性があるんだなと経験を通してマインドセットできました。

なので、今回弊社にご期待頂いた株主の皆さまはrelayにとても相性のよい皆さまだと感じています。そういうご縁は大切にしていきたいです。

KIBOWの投資担当者田村さん(左)、松井さん(右)
取締役になっていただいた東樹さん(中央左)とグロービス本社で✌

インパクトスタートアップ宣言🗾

そして、資金調達を経て弊社は宮崎の一つの小さなローカルスタートアップから「インパクトスタートアップ」になったと思っています。明確に社会課題の解決を目指すスタートアップのことです。

今年ありがたいことにご推薦頂き、経済産業省が進めるJ-Startupプログラムの九州ローカル版J-Startup KYUSHUにも選んで頂きました🙌

宮崎県から同時に選定されたアグリテックスタートアップのテラスマイル生駒さんと👨‍🌾

そして、今ではインパクトスタートアップに特化した、全国版の
J-startupImpactという制度も生まれています。来年こそは選ばれるように頑張るぞ(大臣変わったけど!

KIBOWさんファミリーであるBAOBABさんも選定されている👏

これまでは「社会課題の解決」とかいうと、資金調達を含めたビジネス全般において不利になったりするんじゃなかろうか、と敢えて曖昧にしてたんですが、それを言い切ることにしました。

小さいけれど、大きな一歩だったなと思っています。

自治体連携前年比 400%+🔥🔥

今年、自治体・商工会さまとの連携数が50を突破しました✊

これは自治体様との連携数だけでいくと、前年比400%超の増加となります!(商工団体や金融機関との連携を入れると、もっと高くなります)

経済産業省の補助事業に本年度も採択頂いていたり、昨年度の事業承継・引継ぎ支援センターとの施行事業を経て本年度より正式提携が実現したこと等が大きく寄与しています。

調印式祭りな一年

また、今年度から自治体さまのアクセラレーションプログラムへの参加が増えました。各自治体さまで「事業承継の解決」をキーワードに公募されているものがあり、お声掛け頂くことも増えました(来年もどんどんやっていきます!引き続きお声掛けお願いします!)。

今は以下3つのエリアで活動中です。

参画中アクセラレーションプログラム

  • TOKYO ISLANDHOOD with STARTUPS(東京都島嶼部)

  • グローバルアクセラレーションプログラム GAP-K(福岡県北九州市)

  • The Meet 広島オープンアクセラレーター 呉市(広島県呉市)

サービスを立ち上げて3年経過して思うのは、ようやく国の実証フェーズも終わり、実装フェーズに入ってきたということ。relayが始めた「オープンネーム事業承継」も少しづつ当たり前のものになりつつあります。

来年度はすでに一緒に取り組みをしている自治体の皆さまのところにも積極的に訪問します!

そして、「自治体が行う事業承継ならrelay」というデファクトスタンダードを目指してよりよいサービスにしていきたいと思います。relayの幅を更に広げる新しいプロダクトも開発実証中なので、お楽しみに!

「我々は事業承継プラットフォームなのか?」🤔

宮崎の堀切峠で増員のたびに写真を撮るわたしたち

最近「事業承継なの?M&Aなの?」「プラットフォームなの?仲介なの?」というような議論をメンバーとよくするようになりました。

relayの3年の運営を通じて、小規模事業者の事業承継を取り扱う難しさが一層わかってきた気がします。詳細は割愛しますが、やっていけばやっていくほど、他社さんの参入が少ない理由もわかります。

私たちは小規模事業者は未来に残すべきと考えているけれど、その層にサービスが届かないのも民間サービスが成り立たない分野であり仕方ないことなのでは・・?と思ってしまいそうになることもあります。

私たちは小規模事業者の事業承継のサポートを通じて何を価値提供できているのだろうか?

最近私の中では答えが出つつあって、言葉としてはまとまってないですが、以下のようなことを考えています。

私たちは、小規模事業者の事業承継を「事業のリノベーション」のタイミングと捉え、地域の未来にインパクトを与えるような事業の生まれ変わりを実現する人とその支援をする人たちを増やす、のが役割じゃないかと。

自治体職員さまや商工会議所の経営指導員の方、弊社のパートナーの方も、みんなが事業承継に関する一定の知識を持ち、「廃業させずに事業リノベーションして未来につなげましょうよ」と近くで声掛けする未来。

わが町の事業承継はわが町で完結できる、そんな状態を思い描いています。

第三者承継コミュニティ relays(リレイズ)の立ち上げもそういった動きのひとつ

それが実現したらもしかすると私たちは「事業承継プラットフォーム」じゃなくなるのかもしれません。

2023年、他社/市場/自身に3連勝できた!と両手を上げてはまだまだ言えないかもしれないけど、relayはサービスとして組織として間違いなく強くなりました!でも満足してない。

しっかりと謙虚さを持って、2024年も皆さんが想像する以上の成長を果たして、地域の行くべき道を照らし出せる存在になります!

来年もよろしくお願いします!!


追伸
書き出すと止まらないから触れなかったけど、relayに集ってくれているみんなには、心から感謝をしています。

それぞれこれからも住みたい町に住みながら、その場所から、日本の地域に真に役に立つサービスづくりをしましょう。引き続き力を貸して下さい!

最高の分散型チームを目指そう!
そして来年も宮崎でBBQしてそのまま丸万にいこうな!最高だ!

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