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不思議ちゃんの思考回路を見てみたい

老人施設で一緒に仕事をしている「不思議ちゃん」。

口数も少ない。

会話を振ってもキャッチボールにならず、かなりの変化球を投げてくるので、こちらが次の言葉を出すことができない。

行動をみていると無駄な動きというか、なぜそうしているのかが理解できない時がある。

何か困っているのかもしれないし、何をしたらいいのかわかっていないのかもしれない。

だからこちらから「なにか困っていたりわからなかったら聞いて下さいね」と声を掛けるが、彼女から声を掛けられたことは一度もない。

明らかに誰かを探している彼女に声をかけてみる。

「誰を探していますか?」

すると彼女は

「〇〇さんをお風呂に連れて行きたいので探しています」と言う。

「ここは2階です。〇〇さんの部屋は3階ですよ」と教えてあげる。

「あぁ。。。」と、リアクションが読み取れない声を出していなくなる。


「フロア間違えちゃった!w」とか「ありがとうございます!」とか、明るくおっちょこちょいな雰囲気はみじんもない。

また違う時には、探しているであろう入居者本人の目の前を通り過ぎて、その人の居室をのぞいている。

「〇〇さんならここにいますよ」と声を掛ける。

「あぁ。。。」

また同じリアクション。毎回同じ。


不思議ちゃんは

顔と名前を一致することができないのか。

人と居室を覚えられないのか。


「覚えが悪い」

という一言ではかたずけられない問題があるようにも感じる。


不思議ちゃんの考えていることも知りたいし、コミュニケーションを取ろうと試みても、会話が成立しない。

仕事はみんなでフォローし合いながら成り立つものだし、誰かが困っているなら助け合いたい。

でも、彼女からは何もヘルプが出ないので、こちらから常に問いかけて気にかけてあげないといけない。


うちの施設では週2回の入浴がある。

入浴前日に着替えやタオルなどの必要物品を用意して、浴場へ運んでおく。

なので入居者は当日手ぶらでお風呂場へ行けばいいだけになっている。


つい先日、不思議ちゃんがその入浴準備をやってくれている。

各フロア、全員分の準備ができたのを確認してから浴場へ運ぶことになっている。

不思議ちゃんの様子を見ていると3つのカゴを持ってエレベーター前にいる。

3つでは確実に全員分揃っていない。

あえて私は「それで全部ですか?」と聞いてみた。

不思議ちゃんの答えは「はい」

「全員分揃ったら、確認して一気にお風呂場へ降ろしてくださいね」と伝えてみたが、その3つを持ってお風呂場へ向かってしまった。

まぁ彼女の中では揃ったって言ってるからね。。。。

そのあとも入浴リストを片手にフロアを行ったり来たり。

2階だけ担当してくれればいいものを、全フロア回りだして行方不明。

担当フロアを伝えたけれど通じていなかったみたい。

もし私が全フロアの入浴準備をしたとしても1時間も掛からないと思う。

その日不思議ちゃんは13:00‐16:00までフロアを行ったり来たり。

頼んでいた記録業務もせずに結局退勤してしまっていた。


やってほしいことを伝えてもできないのは、私の伝え方が下手なのか?とも考える。

そうだとすれば改善しないといけない。

不思議ちゃんにどういう伝え方をすれば理解できるのか。

さっきの言葉を砕くとしたら…

「全員分揃ったら、確認して一気にお風呂場へ降ろしてくださいね」

「入浴準備は全員で〇人分です。〇人分が全部揃ったら確認をします。それから全部をエレベーターに乗せてお風呂場へ持っていってくださいね」

とか細かく伝えた方がいいのか。


不思議ちゃんは入浴介助もする人なので、一連の流れはわかっているはずなんだけど。


不思議ちゃんを理解できるまでにはまだ時間がかかりそう。

そして私もまだまだ未熟で、怒りが先に湧いてきてしまうこともある。


ぶっ飛んでる不思議ちゃんを攻略してみたい。


人間っておもしろい。

介護は楽しい。



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