生命力がないのは正常な活動①

ダンサー時代の友達が部屋に泊まりたがる 年上の女性 大分の由緒正しき家の出身 幼稚園で先生をしていたが 妹が家出して水商売をしているので 自分も出た やりたかったダンス教室を主宰 私と2人で埼玉でアパートを借りて共同経営をする予定だった

「焼酎1小瓶持ってくるから」

断った 

私の大切な空間に異物を入れることはできない

部屋に男性も女性も入れたくない 父と兄だけは入居可 

真夜中 ろうそくをつけ 珈琲と占いをする空間 ベランダは細く開けている 珈琲を飲んだり煙草を吸ったり アロマを焚いたり 毎夜タロットをめくる ほかの部屋の音すら聴こえなくなるくらい 自分にこもる

昼間はバイトやらなんやらで私のいない空間が 夜中の1時半過ぎには私の色に染めたかった

おそらく彼女は寂しかったのだ 婚約した彼氏と同棲している 別れたいから部屋に帰りたくないという 何年も男性と暮らしても理解できない相手 ふらふらと渡り鳥の女性

私はというと頑丈な鉄格子の壁を作っていて渡り鳥を入らせなかった 

(つづく)


  

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