久しぶりに。

もう二度と見たくない夢でした。                                 久しぶりに夢を見て起きてからもずっと涙を流していました。

私バンドをしているんです。高校2年生の時から組んでるバンドなんですけど。始めた当時はめちゃくちゃ評判が良くて、自分たちのモチベーションも上がってて、是態に自分らなら売れると思ってました。                      でもやっぱりそんないいことは長く続かないし、バンドの中でもいろいろあったりして、中途半端になってしまったんですね。                    そんなバンドを地元において、私は一人で上京してきました。メンバーは全員一つ年が下なので上京とかはできないんですけど、来年はメンバー全員が関東にいるんだなとかくらいで、本当に中途半端なものを残して私はこっちに来てしまいました。

「君らなら絶対に売れるよ!!」 「絶対CD出した補遺いいって!」       「パパがお前に投資してやるから!!」                                大人たちにそう言われました。大学に行くお金も出してくれなかった父親にこんなことを言われました。確かに私たちのバンドはカッコよかった。  とてつもなく輝いていたし、夢があってた。                                  でも、そうなるには確実に私には才能の実力もなかった。昔は叩けばうまくなった。叩いていればいつの間にか上手になっていたし、叩けていれば問題なかった。もうそれだけでは満足させられなかった。クオリティーとか技術とか生み出す力が必要になったけど、ただ叩いていてもそんなものは手に入らないのに、ただただ場数だけ踏んで中途半端な音を鳴らす自己満の私が出来上がって、自己満のバンドができてしまった。だから今までCDを出す話も自主企画をする話も持ち出されなかった。                なのに今更。最初はすごくうれしくてキラキラした目で大人たちを見ていたけど、根拠のない絶対とか売れるという言葉をばかみたいに聞いていたら、大人たちの口から出てくるものが全部全部嘘とあおりに聞こえて、    「早くそんな夢諦めなよ」 「娘が諦められるなら」               といわれている気がした。心の底から悔しくて、もうどうすればいいのかわからなかったけど我慢して笑顔を振りまいてみた。そうすると大人たちはもっともっと喜んで同じ言葉を繰り返したから、私ももっともっと悔しくなって悲しくなって我慢ができなくなった。嗚咽しながら止まらない涙を流して、ひたすらに悔しがった。                                  クソ。糞。くそ。くそ。クソ。糞。糞。糞。糞。糞。クソ。        

全部夢だった。すぐメンバーに連絡を入れた。                                                       もううちらはやらないの?                            結果、来年関東に来て一度ライブをする。お客さんの反応を見て決めよう。

これは夢だけど夢じゃない。明日はスタジオに行く。

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