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BL小説「幼馴染の先生を抱く」試し読み



暑苦しくて息苦しいのに目を覚ました。

真っ裸の全身が汗だくで、布団もぐっしょりしているのに顔をしかめつつ、だるくて起き上がれずに寝返りを打つ。

顔を向けた先には窓が開けっ放しになっていて、青々とした空が広がっていた。
目に染みるような、その鮮やかさとは対照的に、影がかってくすんで見える背中。

上半身裸で窓のサッシに寄りかかりながら、煙草を持つ片手を下げている。

今時、そんなに開けっぴろげだと通報されかねないし、職業柄、俺を含めて目撃されたら、やばいだろうに。
と眉をひそめたくなるところだが、窓からすこし行った先は断崖絶壁で、その下には延々と海が広がっている。

崖付近に見渡せるだけ他に家はなく、隣家は徒歩三十分くらいに離れているというから、家の中を覗くのはカモメやトンビくらいだ。

窓からは潮騒が聞こえて、海の匂いと、ほんの煙たさが交じった湿っぽい風がカーテンを揺らして吹きつけてくる。

部屋が元々サウナのようになって、潮風に吹かれても涼しくなく「先生」とぐったりしたまま声をかけた。
呼ばれた背中は振り返ることなく、聞こえていないかのように煙草を吸ったが「先生、エアコン」と訴えつづける。

まだ時期は初夏とはいえ、本土から遠く離れたこの南の地では、すでにエアコンに頼っている家が多い。

俺らなんか、息切れするほどの運動をした後なのだから、余計にエアコンが必要なところだが、先生はエアコンが苦手だ。

それなりに上背がありながら、肋骨が透けて見えるほど華奢で、なまっちろい肌をしているのを見ても分かる通り、地元民ではない。

本土から赴任してきたインドアタイプの人間で、熱さに耐性がなければエアコンもNGという、女子も顔負けな虚弱ぶりだった。

学校には他にも本土から赴任してきた先生がいるとはいえ、エアコンの入った職員室で足元にブランケットを敷いているのは、この先生だけ。
女教師でさえブランケットをかけていないから「女より女みてえだな」と空手部では、よく笑い者にしている。

にしても、本当に「女になる」なんてな、と他人事のように思いつつ、俺はべたつく布団からのっそり起き上がった。

古い木の板床が足を踏みだすたびに軋んだが、先生は知らんふりで、煙草の煙を青空にくゆらせている。
指で挟んでいるのを、後ろから手ごと握りこんで煙草を抜き取り、握りつぶす。
ジュ、と音がしたのに、やっと反応して、その拳を見やった先生の首に腕を回して引き寄せたなら、髪に顔をうずめて「エアコンはいいから」と囁いた。

「もう一回」

びくりとして、体をよじろうとしたものの、焦げたところを舐めた掌を胸に這わせる。

唾液を塗りつけるように胸をまさぐったら「や、あ・・・あ、だめ」と言いながら、すぐに突起を張りつめさせた。

斜め上から見ると、意外に長いのに気づかされる、伏せられたまつ毛が震えるのを、一旦目を閉じてから、それに重ねて別人を思い浮かべて「いや、じゃないんだろ?」と含み笑いをする。

現実の先生は「あ・・・やあ、そん・・・なぁ、やぁん」と喘ぐだけだったものの、似ても似つかない可憐な顔をした男子が、頬を赤らめ涙ぐみながら「なんで、シュウちゃぁん」と甘く鳴いているように俺の目には写って、俄然、下半身を燃えさせた。


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