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山羊座の太陽(2022年冬至)

12月22日は冬至です。

山羊座に太陽が入る日です。
冬至はいまさらですが、日照時間がもっとも短い日です。
太陽の力がもっとも弱まる日の一つで、同じく太陽がお隠れする不定期に訪れる日蝕よりもはるかに周期的に訪れるため、世界中に冬至を祝ったりする行事がありますね。

占星術的には、山羊座0度に太陽が入る日になります。
二十四節気と黄道十二宮は緊密な関係にあります。

春分:牡羊座(火:活動宮)
夏至:蟹 座(水:活動宮)
秋分:天秤座(風:活動宮)
冬至:山羊座(地:活動宮)

太陽が季節に大きくかかわるとき、活動宮が始まります。

山羊座

Edmund Dulac(1919)

ギリシャ神話

山羊座は、牧神パン(アイギパーン)の星座です。
神々がナイル川沿いで宴会を開いていたところ、突然、怪物テューポーンが現れ、驚いた神々は動物に姿を変えて逃げたのですが、ヤギ頭の牧神パンは魚に変身し、ナイル川に飛び込んだところ下半身だけが魚になり、その姿がゼウスによって星座とされました。

パンは羊飼いや羊の群れを監督する神です。
上半身は男性で、下半身は山羊のような獣の姿をしています。
(ヤギの頭を持つという説もあり、タロットカードの悪魔のカードの中には、このパンをモティーフにしたものもあります)
パンは普段は陽気で優しい性格ですが、昼寝を邪魔されると怒って人々や家畜に恐怖を与えることがありました。

あるとき、アルテミスの侍女シュリンクスに恋をしアタックしましたが拒絶されます。シュリンクスは、月の女神で処女神でもあるアルテミスに厚い信仰をもっていたため、神々の誘いにのることはありませんでした。
パンは諦めきれずに逃げる彼女を追いかけ続けます。その結果、シュリンクスは「葦」に姿を変えてしまいます。パンはその葦を切りとり、楽器を作りました。それが常に持っている「パンの笛」の由来とされています。

占星術

牡羊座から数えて10番目のサインである山羊座は「責任、構造、組織・社会性」を意匠します。
射手座でより大きな思想・哲学の世界を体現し個人(パーソナル)の世界からトランスパーソナルの世界へと切り替わりました。

山羊座では射手座で見つけた思想・哲学などの理論を構造化し、法則性を見出し、ガイドラインを作り、理論を実践する形へと変化させます。
思い描いた理想や理論を、実現するために「始動」させます。

そのときに、山羊座の支配星である土星の影響を受けた形での始動となります。
土星は「制限、構造、責任」の天体であり、また個人の最高天体でもあります。

山羊座で構築される構造は、それまでの過程の集大成でもあります。
それまでの過程とは、牡羊座から射手座までの経験のことを差していますのでそれまでに経験した事柄から「総合的に判断して、構造としての集大成」がなされます。そのため山羊座は「権威」も象徴します。

山羊座の太陽

山羊座の中での太陽は、自分らしさをより確実な形で表現します。
組織や構造といったサインの中でのより確実な形となると、物質的で誰の眼にもわかり易いものである必要があります。

誰の眼にもわかりやすいものとして、
 ・組織に属すること、
 ・肩書きを得ること、
 ・高級なものを身に着けること
などが挙げられます。

これまでの9つのサインの中で見つけた「自分らしさ」を表現するものなので、肩書きはそれまでの自分の歴史そのものとなり、その結果得たものをを身につけるというのも、太陽の目的としてとても理にかなっています。

そのため、山羊座の中での太陽が輝きを増すときというのは、それまで歩んできた自分を肯定し、手にしているさまざまな理論や考えや答えの中から
自分にとって最善のものを拾い上げ、新しい形へと作り変えて発信するときです。
発信されたそれらのものは、手堅い理論の上に成り立っているので鉄壁であり、強力です。

一方、山羊座の中で太陽がうまく輝けないときというのは、理論ではなく結果、特に物質面だけにしか興味が向かず、組織の維持に固執したり、物質的な豊かさだけを追い求めたり、
外側だけを重視して、中身が空っぽみたいな状態です。

太陽の光が最も弱まったときに始まる山羊座は、それまでの自分が行ってきた活動を、まず肯定し行動の成果を形作るサインとなります。
太陽の恩恵(輝きや光、温かさ)を受けにくくなっているからこそ、太陽の輝きを漏らさず受け止め、抄(すく)いあげることがとても得意な山羊座です。


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