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土星の逆行

土星の逆行が始まります。(6月5日から10月23日まで)

土星

ギリシャ神話

ギリシャ神話では農耕の神で時の神クロノスと同一とされています。
ローマ神話では、サトゥルヌス=サターンとなり、こちらが土星の意味となりました
(悪魔のサタンではありません)。

タイタン12神の一人であったクロノスは、父ウラノスを倒し権力を手に入れます。
しかし、末息子のゼウスによって、その権力を奪われることになります。

農耕は作物ができる間に流れる時間も管理しています。
「作物=時を刈り取る」という意味から、時の神としての意味が強くなりました。
時間は、人間にとっては生すなわち命でもありますので、
そこに「命を刈り取る」という意味も含まれています。

姿は老人で、時の象徴として翼や大鎌あるいは砂時計を持っています。
今回は、時の神としての方が土星が逆行する意味とも通じやすいかなと思い、この絵です。

ジャン=フランソワ・ド・トロワ「真実を明らかにする時間の寓話」1733年 ナショナルギャラリー

時間が経つことによって、隠されていた真実は明らかになる。
寓意画とは、難しい抽象的な概念を擬人化したり象徴を用いて絵画で説明する美術表現です。
この愚意画も、時間(運命)に翻弄される人間を表したものです。

占星術の土星


占星術における土星は、古典占星術でも現代占星術でも「制限を与えるもの」そして「カルマを支配するもの」です。

カルマとは、私たちが自分たちに投げた事柄=受けなければならない応報のことです。土星はそれを正確に伝えてくるのです。だから私たちは土星が苦手だし恐いのです。なので。土星が示す課題は結果として厳しいものとなり、そしてそれは私たちが学ぶべきもっとも重要なものとなります。
土星が逆行するときは、そのカルマを整理するタイミングが訪れたと考えます。

水瓶座の中の土星

水瓶座は風のサインです。
天王星が発見される前の古典占星術では、土星は水瓶座を支配していました。

土星は規則を作る天体で、同じく支配する一つ前の山羊座でもその力をいかんなく発揮していました。
対して水瓶座は、山羊座が作ったルールを壊すサインです。

土星が作ったルールが水瓶座の中で有用性を失い始めたら、土星は躊躇なく(自らが作ったものであったとしても)古いものを壊して新しいものを作りなおします。
そこには、土星が認めた「敬意(リスペクト)」が働くためです。
そのため、土星は水瓶座の中にあって、とても強大な力を発揮します。
そして、その土星の新たなルール作りは、非常に厳格で、非常にドライで、非常に論理的です。

土星は202012月21日に水瓶座に入り、新しいテーマを私たちに与えました。
この日は、木星も同時に水瓶座に入り「グレートコンジャンクション」と呼ばれました。

水瓶座の中の土星は、
規律や体制が「よく機能しているか」
「規制の中であっても、個人の自由が保たれているか」
ということに、一番の関心を持ちその観察に心血を注ぎます。精神的なものや土星からのメッセージはこれからジワリジワリと効いてくると思います。

水瓶座土星がもたらす強い緊張感は、逆行することによってある意味、落ち着きを取り戻します。それにより、今度は自分の気持ちや感情に焦点が当たり、哀しみや内向きの振り返りを経験することもあると思います。今まで多くの天体が順行していて、忘れていたり見て見ぬふりをしてきた感情や思いが顕在化してくるものなので、しっとりと感情を思い出し昇華していくことができるタイミングだと思います。

さて、既に山羊座の冥王星が逆行していますが土星が逆行を始める6月5日以降も多くの天体が逆行を始める時期になります。

個々の天体が逆行したり順行したりすること自体は、大きな影響があるのではないかと怯える必要はないと思っています。ただ、順行時に比べると、少しだけブレーキを踏まれているかな?というくらいで良いのではないかなと思います。

今回の土星の逆行はより「落ち着き」という形が強くこれまでを振り返り、まずは「よく頑張ったよね」と自分をいたわってあげてくださいね。

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