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蟹座の新月

6月29日 蟹座新月です。

アンドレア・アッピアーニ『アプロディーテーの宝帯を借りたヘーラー』(1811年)


蟹座

蟹座は牡羊座から数えて4番目に位置します。
牡羊座で得た魂、牡牛座で得た肉体、双子座で得た知性、そして、蟹座では「感情・情緒」
牡羊座で得たことは違った形で創造物と魂の結びつきを見出していきます。

蟹座の神話

我らが大神ゼウスは、今度は、ミケーネの王女アルクメネーに恋をします。
夫であるミケーネ王・アンピトリュオンに姿を変え、アルクメネーの元を訪れたと言われています。
これを知ったゼウスの妃・へーラーは、怒りと嫉妬で、
「もし男子が生まれた時は、決してそのままにはしておかない」と、固く心に決めます。そうして生まれたのがヘラクレスでした。へーラーの怒りは一生ヘラクレスについてまわることになり、数々の試練がヘラクレスを襲います。
その試練の一つのお話の中で、ヒドラとヘラクレスが戦っている時に、へーラーが差し向けたのが、大きなはさみを持つ蟹カルキノス。しかし、ヒドラとの戦いに夢中になっていたヘラクレスはカルキノスの存在に気付かず踏み潰してしまいます(!)へーラーは、ヘラクレスを苦しめたヒドラと、勇敢なカルキノスに感心して一緒に星座にしました(ヒドラはうみへび座になりました)。
ギリシャ神話での蟹座のお話は、なかなかにシュールです。元々ヒドラとカルキノスは友達で、ヒドラの危機にカルキノスが助けに入ったともいわれています。
ですが、根底にある神話はやはりヘーラーであり、ヘラクレスであります。
なぜ、ヘーラーはゼウスの妻で在り続けるのか、
ヘラクレスは自分の出自の責任はないのに、ヘーラーの試練を投げ出さずに受けつづけるのか。
人間関係と運命の縮図のような、ヘーラーとヘラクレスの因縁ともいえる宿命は最終的に、「ヘラクレスの神格化」として昇華していきます。

蟹座の月

月は蟹座の支配星です。蟹座の月が象徴するのは、母性。
あらゆる種類の感情を経験し、表現することや、経験の記憶を保持・保存します。

月は、感情や魂の記憶やアイデンティティを確立し、表現するようになります。そのためには、安心でき、保護される場所が必要でその場所が「蟹座」という場所なのです。湧き上がってくる全ての感情は、月がホームに帰ってくることで解放されて顕在化します。普段は、抑えたり、抑えてしまえている感情が、抑えることが難しいことがあるようです。
どんな感情も元々持っているもので、それが見えないか見えるかの違いだけ、ともいえるでしょう。

蟹座の新月

新月は10ハウスにあり、牡羊座の木星とアスペクトを作っています。

新しいことを始めること、感情の赴くままに始める事
それを、よりしっかりと木星が後押しするような配置です。

しかし、木星のスクエアは、両刃の剣のようなものです。
木星により、非常に自信があり、自分を誇りに思い、
幸運で楽観的であると感じさせることができます。

新月で誓う事柄にも、木星がエネルギーを与えてくれる可能性もあります。

木星により気持ちが大きくおおらかになる一方で、その関り方が「スクエア」なのでちょっと自信過剰、自意識過剰になりやすいことに注意が必要です。

蟹座の支配星である月は、力を発揮できる場所でしっかりと新しい意図を掴みます。
自分の感情が、プラスに感じる事柄に加えて
「敬意」「節度」「規律を守る」ということが必要です。

自分にとって必要な事だけ、楽しいと感じる事だけを厳選していくこと。
ついつい気が大きくなってしまうので、
見栄やエゴで動き出すと、品位がなかったり、ルーズになりがちです。

それでも良いわ、と強引に進めていると
ますます、尊大になったり下品になっていく方向に拍車がかかりやすいのです。

そんなちょっと強い木星と新月には、双子座の金星(アフロディーテ)が調和的な度数でアスペクトしています。
そのため、木星のスクエアは、尊大だけでなくそこに品位が補われていきます。
新月にも、美しさ、自分らしさ、喜びといったキーワードが投げかけられ
双子座の金星と牡羊座の木星が新月に優しい加護を与えてくれそうです。

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