ばばあもどきの日常と非日常 その19「仕事のこと④」

こんにちは。
“ばばあもどき”のルル山ルル子(ルル)です。
女の容れ物(身体)に男の魂が宿っています。
「トランスジェンダー」とか「FTM」とかの呼称がどうもしっくり来ず、
普段は「見た目は女 中身はおっさん」と自己紹介をしています。

前回までのあらすじ

印刷関係の仕事に憧れてやっと製版会社に正社員として入社した私でしたが、
部長のセクハラや仕事内容に徐々に耐えられなくなっていき、
そのタイミングで同じ職場のAさんにプロポーズされたのを機に会社を辞めました。

今 思えば元夫はヤバい奴だった

さて。
会社を辞め、Aさんと暮らし始めるのと前後して、すごい事実が発覚しました。
Aさんから懺悔の告白によって。

Aさんはパチンコや買い物で作った借金が何百万円もあり、
年齢の割に高給取りでしたがその殆どを借金の返済に充て、また借りて……の繰り返しで生活していたのです。
今の私だったら「その男はヤバいぞ、やめておけ」と冷静に考えられるのですが、
当時は私もまだ若く、しかも「女の容れ物に入っているくせにすごい男尊女卑的考えの持ち主の男」だったので
ああ、これは所謂「浪花恋しぐれ」※の世界だ、と1人で納得し、独身時代にコツコツと貯めた貯金ウン百万円でAさんの借金のあらかたを返済しました。
これで2人でイチから、いや、ゼロからやり直そう、と。
しかも、のちに発覚することですが、AさんはDV男でした。
これはまた、暴力のことを書く時に書きます。

※「浪花恋しぐれ」(なにわこいしぐれ)は、1983年5月21日に発売された都はるみと岡千秋によるデュエットシングル。この曲は、戦前の上方落語界のスーパースター初代・桂春団治の破天荒な生き方とそれを陰で支えた妻・お浜との夫婦愛をモチーフにした曲である。(Wikipediaより)

仕事は見付かったものの……

そんな訳で、専業主婦などになれるはずもなく、
Aさんから「ルル子も何か稼げる仕事を探して頑張って」と言われ
仕事を探すことになりました。

ずっと憧れていた印刷関係の仕事を辞めてしまって、特にやりたい仕事も思い付かなかった私は、
求人雑誌を見て私に出来そうな中で一番時給の高い仕事の面接に行き、採用されました。
エレベーターの掃除をする仕事です。
2人1組で車に乗って担当エリアを回り、1日に3〜5ヶ所、指定されたビルのエレベーターの掃除をして回るのです。
優しそうな年上の女の人とペアになったし、
汚れたところをキレイにするなんてまあまあやり甲斐がありそうだな、と張り切っていた私に、
思いっ切り冷や水をあびせかける存在がありました。

実家の母です。

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