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まじすと10回目、優勝しました!

プロローグ

手が震えていた・・・

勝てるのか?ようやくあの人に?

総攻撃で攻撃力は足りている。
ここから盤面を返すカードは相手のデッキにないは・・・ず?

わからない、でも最後まで油断はしない。何度もこの人に負けた。周りにも因縁の相手だといわれてきた。
今日勝たないで、いつ勝つんだ。

攻撃ボタンをクリックする。
その時相手から潔い「グッドゲーム」エモート。
すべての攻撃が通った。

この時の感情。なんと表現したら良いのだろう。

僕は普段試合に勝った時、相手のことを考え極力感情を出さないようにしている。
しかしこの時ばかりは相手が相手だったためかその感情を隠すことはできなかった。。。


・・・・・はい、ということで!
ちょっと普段のルルークとは違う口調で文章を始めてみました笑

総合配信もされ、Twitterでも告知されている通り
今回ルルークはMTGA STREAMER TOURNAMENT 10th(通称:まじすと)を優勝しましたー!(*^▽^*)

やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!

今回は大会の様子を振り返りながら僕がどういう風に大会に対して向きあったかをお話していきたいと思っています。

それではれっつごー☆

デッキ選択

今回僕が使用したデッキはティムールトレジャー。
所謂ミッドレンジの中でも《ヤスペラの歩哨》+《厚顔の無法者、マグダ》によるマナ加速から最高速の攻撃力を持ったデッキです。

このデッキを選んだ理由は先月の弱点克服記事にも書いたように今月は苦手なミッドレンジ練習期間としていたから。

ティムールという色を選んだ理由はグルールカラーを要していて攻撃的な姿勢をとれることが自分に合っていたこと。おりゃぁ!

追加一色は青色。グルールでミッドレンジといえばジャンドかティムールといった感じだと思うがジャンドにしなかった理由は僕が所属するMTGチーム、メガネオにある。

メガネオはもともとチーム内にミッドレンジ巧者が2名いる。そのうちの一人である血染めのダイチさんはジャンドカラーの使い手。

もし予選当日マッチングしてしまいカラーミラー対決になってしまったら勝てないと思ったからだ。

黒の特色であるハンデスによる妨害は先のことを計算する能力が必要不可欠。ルルークはこの点についてダイチさんに勝っているとは思えなかった。
(それ以外も負けてんだけどね!)

先のことを読めないと使いこなすの難しいよねぇ

一方で駆け引きや読みあいが必要になる青色であればルルークには自信があったためティムールを選択した。

また、駆け引きや読みあいが優位になるプレイングの根拠は練習の精度にある。ルルークはその部分についても自信があった。

こっちのほうが自信あり!

ちなみに通れば勝ちという強力な呪文が飛び交う昨今の環境でグルール単体で行くことはそもそも選択肢になかったこともここで述べておく。

後はメタゲーム。

大会となる以上、ほかの皆がどんなデッキを持ち込んでくるか、そのうえで自分のデッキの立ち位置はどうなのかを考えるメタゲーム考察をすることは必須であるが、

今回を含めルルークが出場している過去3回のまじすとでは僕は一度もメタゲーム考察をしていない。

これには理由があり、まじすとは本当に多種多様なデッキを持ち込んでくる人が多い。

1日のTier1デッキの使用率が最下位ということもざらにある大会なのだ。

これはまじすとという大会の競技性が低いということを示すものではない。

それは実際に大会の配信を見られた方はお分かりになると思うのだが、勝ち上がるメンバーは全員本気でTier上位のデッキを「喰い」に来ているのである。

そんな中で世間のメタゲームと照らし合わせて持ち込むデッキを決めるのは非常にリスキーだしかける時間ももったいないとルルークは考えている。

だからこそルルークは自分の実力が100%出せるデッキを早めに見つけ、本番までの時間はそのデッキのプレイング練習に充てることにしている。

またメタゲームを追いすぎると結果として自分のデッキの潜在的な力が弱いことに気づかない可能性がある。

「あのデッキ、メタ外だから勝てなかったよ~」時々このような意見を見かけるがそれは少しルルークはとらえ方が違う。
そういう負け方をしたということはそのデッキは「今のメタゲームだから強い」ということであって、そもそもデッキとして強いというわけではないのだと思う。

だからそういうデッキはまじすとでは予選で駆逐される。
いうなればそもそものデッキパワー、そしてプレイングの弱さが露呈してしまうものは勝ち上がれない。ルルークはまじすとをそういう大会だととらえている。

総合配信をご覧いただきたい。
弱いプレイヤーも弱いデッキも決勝トーナメントにいないのである。

なのでデッキパワーを正確に見極めパワーの強いデッキを強く正確に使うこと。これがまじすとで勝ち抜く秘訣であり、まじすとの競技性が低くないとルルークが感じる理由である。

この話は賛否両論あると思うが、実はルルークは過去3回のまじすとはすべて予選通過している。予選通過率100%である。
この成果は今回の優勝に対しても引けを取らない成果だと思っているがすべてこの考え方で通過している。もしよければ試していただきたい。

サイドボードの一部変更

今回参考にしたデッキは実際にMOの大会でわずかばかり結果を出しているリストである。
メタゲーム上の存在を認知していない方もいたが実は使用者が少ないわりにオルゾフミッドやエスパーフレンズ、白単が跋扈しているなかで確かな結果を出していたのだ。

ただしサイドボードについて一部変更点がある。以下の通りだ。
◆元のリスト
絡み罠×3
◆ルルークのリスト
絡み罠×1
怪しげな密航者×2

この理由については大会インタビューでも答えたが、
とある理由で密航者を入れてテーブルトップの大会に出たらめちゃくちゃに活躍したからである。

何気に面倒くさいクリーチャーなのである

実際考えてみると理にかなっているように感じる。
コントロール相手にINすることが多いが、相手からすると除去の対象が増える。特にヤスペラ+マグダのコンビを前半は生き残らせたいティムールにとっては良い避雷針になるのである。

本番ではなかったが練習段階では《鏡割りの寓話》の第三章で裏返った密航者をコピーして2ドロー、なんて場面もままあった。(しかも地味に4点クロックである!)

食肉鈎の隆盛によってタフネス1の脆弱性を突っ込まれることもあるが、このデッキはそもそもそのためにカウンターを積んでいるため、プレイングで回避する話であり、サイドボードとしては議論する理由がないと感じている。

このデッキの弱点

どんなデッキにも弱点はある。
当たり前のことだがそれはこのティムールトレジャーも例外ではない。

このデッキに大きな弱点は2つだとルルークは考えている。

1.メインボードはタフネス5以上クリーチャーに対して1枚で対抗できない。

これはリストをよく見ればわかることなのだが、除去としては火力しかなくその打点は《ドラゴンの火》の4点だ。(しかも3点であることもある!)

このデッキの最大火力

基本的には攻撃する側のデッキであるため除去は最低限なのだが環境に《光輝王の野心家》やナヤルーンが存在する以上これは顕著な弱点になる。
そのためサイドボードには《バーニング・ハンズ》が4枚と多めに採用されている。この理由はあくまでルルークの解釈であるがこの理由がバーニング・ハンズ4枚の理由だとするとルルークは納得している。

2.ハンドアドバンテージを能動的に得るカードがない。

このデッキにはいわゆるドローカード、「カードを引くカード」がない。
サイドボードのところで触れたとおり《怪しげな密航者》を採用しているが基本的には避雷針の役割であるためドローカードとして頼りになるカードではない。
そのため《エシカの戦車》、《レンと7番》といったカードでボードアドバンテージをとるしかない。
・・・が、アドバンテージをとる手段がそれに限られているため全体除去に非常に弱い。

強いカードよねぇ

プレイングについて

先に示している通りこのデッキには明確に弱点があるためその部分をカバーするプレイングが求められる。
特にメインボードの火力についてはその打ちどころを慎重に考える必要がある。

《厚顔の無法者、マグダ》、《鏡割りの寓話》のトークンで相打ちブロックを躊躇うプレイを見ることがあるが、相手のクリーチャーが火力の圏内から成長して飛び出ていく可能性があるのであれば多少の損は承知でブロックしたほうが良いこともある。特に鏡割りのトークンは火力と合わせて相手のクリーチャーを除去しても実質は1枚交換で損は済んでいるので積極的に行ってよい。

また打消しについては極力相手の全体除去に合わせたい。
単体で出てくる《放浪皇》やその他PWを打ち消したい気持ちはわかるが一度ぐっとこらえて、その盤面で出てくるそのカードはこちらを「負け」に追い込むものなのかということをじっくり考える必要がある。
NEO神河トップレアである《放浪皇》も実はよく考えると打ち消す必要がないシチュエーションも存在するのである。

強いが着地した瞬間勝負が決まるわけではない

初手に《ヤスペラの歩哨》《厚顔の無法者、マグダ》《黄金架のドラゴン》がそろっていればブン回ること必至だが、そうでないときのプレイングは慎重さを求められる。

実際、このデッキのエースである《黄金架のドラゴン》であるがこれは3ターン目ないしは4ターン目に出てくるから強いのであり、7ターン目ぐらい、しかも手札がない状態で出てくるドラゴンはただの宝物だけ持ってくるトカゲである。しかも全員打ち消してやろう、除去してやろうと血眼になっている的なのだ。
そのことをよく考えてプレイを進める必要がある。

現スタンダード最強の一角だが「強くないタイミング」が存在する

選択肢が多いデッキであり何を打ち消し、何を通しながら自分の攻撃を通すのかということを念頭に置くためハンドリーディングも求められるがルルークなりのやり方がまた長くなってしまうため別の機会に書きたいと思う。

予選ブロックDAY3

ルルークは今回私事都合もありDAY3のみの出場。
結果と対戦相手は以下の通り

VS ディミーアローグ(ゼナーゴさん) 2-0
VS エスパーコントロール(冬月カムイさん) 2-0
VS イゼットドラゴン(大文字ひのこさん) 2-1
VS ラクドスサクリファイス(沼山くろさん) 1-2

というわけで3勝1敗。
ラクドスサクリファイスに負けてしまい、全勝突破は逃してしまったが何とかオポでギリギリ滑り込み通過!アッブネー

とは言えこのラクドスサクリファイス編は先に挙げたこのデッキの弱点を強く思い知る結果となり、決勝トーナメントへの良い勉強になりました。

そのほかの試合についても楽な試合は一つもなく、かなりヒリついた展開に。
もしよければルルークの配信アーカイブからご覧いただけると幸いです☆

ルルークの配信チャンネルです(*^▽^*)


予選と決勝トーナメント間での練習について

さて、予選はなんとか通過したわけですが決勝までの時間は1週間。
この一週間で再度デッキの選択あるいはブラッシュアップを行わなくてはいけません。

ルルークは変わらずティムールトレジャーを選択。
しかしサイドボードについてはかなり悩みました。

というのも予選で沼山さんに負けてからラクドスサクリファイスに対する不利を強く認識したこと。またランクマッチに潜った際もその不利は顕著でした。

というわけで置物に意識を置いた以下のサイドボードを見つけたので試してみることに

しかし結果はラクドスサクリファイスに対してようやく五分五分、ほかのデッキに対しては弱くなってしまうことに。

かなりの数のマッチをこなしましたが上記の感想は変えられませんでした。

一部のマッチ結果、うーむって感じ

なのでサイドはすでに練習を積んでいた予選の形から変えないことに。
ラクドスに当たったら仕方ない!そのほかには勝てる!という気持ちで臨みました。

決勝トーナメントスタート!

いよいよ決勝トーナメントがスタート!
さて気になる初戦は・・・

沼山くろさん!予選のリベンジだ!!!!

。。。。ん?

・・・・・・ラクドスサクリファイスやないかーい!

なんでだよぉー(´;ω;`)

いや、始まる前はデッキがわからないので予選とはデッキが違うかも?
・・・いやいや!沼山って名前なのにラクドスじゃないことあるかぁ!(´;ω;`)

と嘆いていても仕方ないので腹を括ることに!
不利なだけで100%負けるわけじゃない!という気持ちを胸に臨みました。

内容はルルークの配信、また絵村きりんさんのカバレージにもありますので是非読んでいただければと思います。

少し種明かしをすると3Gで沼山さんが金床を4枚引くという事故?に見舞われ何とか勝利という形でした。
思えばこれがのちの「あの瞬間」の伏線だったのかもしれない・・・

引きすぎぃ!

よかったぁと胸をなでおろすとすぐに2戦目。
相手は朝比奈ましろさん。

こちらも試合の様子は僕のアーカイブきりんさんのカバレージにございます☆

朝比奈さんはボロスアグロ。
横にも広がるし、個としてもクリーチャーが強くなりやすいデッキだ。

だけどルルークも一時期かなり使い込んでいたデッキということもあり戦い方はよくわかっている。
ルルークは地上を固め制空権をとることを意識してプレイを進めた。

駆け抜けろ!ドラゴン!地上は猫たち頼んだぞ!

ただ朝比奈さんのプレイもうまく常に逆転の一手を残し続けられるプレイングでこちらとしても気を抜ける瞬間がなかった。

ふーっと息をついてしばらくの待ち時間を空けたのちTKYさんとの準決勝。

相手はエスパーカラーのデッキ。
こちらの試合の内容も例によりルルークの配信アーカイブやきりんさんのカバレージをご覧いただきたいが、第1Gは完全にTKYさんのミスに助けられ何とか勝利。
ルルークは1ランドキープというかなり博打を打ち最高のドローをしたうえでの試合展開。なのに、もしTKYさんがミスをしていなかったら・・・と思うとぞっとする。
試合中にはボイスチャットをTKYさんとつないでいたためTKYさんが何をミスしていたかも僕はわかっていた。
そのミスがなかったら・・・その未来は最高のドローをしているルルークをしのぎ切る展開だった。

果たしてマッチをとれるのだろうか・・・

案の定2Gはアドバンテージの差をつけられわかりやすく負けてしまった。

続く3G、お互い主導権と細かいアドバンテージをとる展開となったが何とか攻め切ることが出来た。

ようやくたどり着いた、いつもは「いいなぁ」と下から見上げていた決勝の舞台。

そして相手はまさかの「あの人」だった。

因縁?ライバル?決勝のスタート!

決勝の相手はYAZAWAさん。

上手い!強い!めっちゃ良い人☆

実は今まで3度マッチングしておりルルークはそのすべてに負けている。

総合配信でも「因縁の対決」と紹介されていたがルルークもYAZAWAさんも実はそこまで意識しているわけではなかった。

いや、強がるのはよそう。

ルルークはバッチバチに意識していた!
だって勝ったことないんだもん!

ただ実は二人とも自分たちの口から因縁やライバルという言葉を口にすることはあんまりなかった。

YAZAWAさんがどう思っていたかはわからない。彼にとってルルークはこれまで打倒してきた相手の一人に過ぎなかったかもしれない。

一方でルルークは1度も勝っていないため因縁の相手ともライバルとも思えていなかった。まだその土俵に上がれていないという気持ちだった。

とはいえ最高の決勝戦には違いない。
YAZAWAさんは大会史上前人未到の2回目の優勝。
ルルークは初優勝がかかっているのだ。

最高の相手に最高のプレイングで勝つ。

ルルークの意識はその一点だった。

試合の内容はぜひ実況解説付きの総合配信をご覧いただきたい。

少し内容を触れると、ルルークは最高の初手と最高のドローをつなげた。
1Gではこのマッチでキーとなる《ドラゴンの火》をデッキの中からすべて引き当てたのだ!
だけど沼山さんが金床を4枚引いたように確率上存在することは必ず起きうるのだ。

ドラゴンの火引きすぎ事件

2Gは最高速で攻撃、火力、すべてをそろえてが完璧のゲームでした。

後攻3ターン目のブン回り

最後の瞬間、YAZAWAさんから送られた「グッドゲーム」エモート

「おめでとう、ルルークさん」

僕の配信を見てくださった視聴者様はご存じだと思うがルルークは喜びの感情を抑えられなかった。

「いやぁ、立ちはだかりたかった」

YAZAWAさんのこのセリフがどういう感情のもとでの言葉だったのかはわからない。

ただ彼の人となりが決勝戦を最高にし、僕が追い続けたプレイヤーの姿であることは間違いない。

勝っても負けても決して相手に対して高圧的な態度をとらない、相手をたたえることを忘れない、惜しまない。
そんな彼の姿にずっとあこがれていた。

ようやく勝った。優勝だ。
これで周りから言われているような因縁やライバルの関係に近づけたかどうかはわからないが僕はまずはこの瞬間を迎えられたことが本当にうれしかった。

大会を終えて

まずは大会を主催していただいたぞんびさん、およびスタッフの皆様に感謝したい。
そもそも大会を開くというのはとてつもない労力がかかる中で選手のことを考え、運営していただけることは本当に光栄なことだ。
誠にありがとうございます。

そしてルルークの配信の視聴者様、応援してくださった皆様本当にありがとうございます。
月並みな言葉かもしれませんが皆様のコメント一つ一つがルルークの力になりました。
皆様の言葉すべてがルルークが頑張れる言動力であり、楽しみであります☆

忘れてはいけないメガネオ。
今回の大会に当たっては実はメガネオメンバーと話したことは少ない。
ですが彼らの言葉一つ一つは確実にルルークの中で生きており、ルルークの行動を支えている。
プレイングだけでなくカード一枚に対する考え方、立ち位置、彼らがいなければルルークが強くなることは絶対になかった。これは心からの言葉である。

さて、この結果を持ってルルークは以前執筆した記事のような「テスト勉強だけできる」人間から脱却できただろうか?

おそらくそれはまだわからない。前回の分析記事からひと月と経っていないしそんなに簡単に強くなれるほどMTGは簡単なゲームじゃない。

今回は運の上振れ、相手のミス、自分のミス、そういったものがすべて良い方向にかみ合っての優勝だった。

でもまじすとで3大会連続決勝トーナメント進出。これは自信を持って良いことなんだと感じている。

カバレージでも「強豪プレイヤー」と紹介していただいている。
調子に乗るわけではない。

でも僕を評価してくれている人もいる。応援してくださっている人もいる。そうしてくださった人たちに恥じないプレイヤーとしてしっかり立っていたいということを今後の目標として筆をおきたいと思う。

本当にありがとうございました。


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