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まじすと10回目決勝大会ルルークVS沼山くろ

世は大配信時代。少し前までは一部の企業、イベントのみが行っていたネット配信も個人の趣味となり、各々が情報発信や交友関係の構築を行えるようになった。
そんな中誰かが言った「VTuberの大会をやったら面白いんじゃない?」という………
MTGストリーマートーナメント、略してまじ☆すとも回を重ね今回で10回という大台に乗った。
回を追うごとに参加人数は増え、フレッシュな配信者が門戸をたたいている。



決勝Dブロック第一ラウンドはフレッシュな新人と、強豪古参の対決となった。


沼山くろ



沼山くろ - YouTube

沼と山。ラクドスの名を関する新星は、今回しっかりと作り込まれたラクドス金床を持ち込んでいる。

ルルーク

ルルーク - Twitch

対するルルークは幾度となくまじすとの決勝大会に進出し、MTGAのランクも上位常連。電脳世界でも現実世界でもまごうこと無き強豪プレイヤーだ。
そんなルルークが選んだのはTemur Midrange。
《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》+《ヤスペラの歩哨/Jaspera Sentinel(KHM)》というスタンダードの1~2ターン目最高の動きを持ちながら扱いが難しく、ゲームの再現性に難があるため使い手を選ぶデッキだ。

・Rakdos Artifacts VS Temur Midrange
お互いに2ターン目からゲームが大きく加速する。いったん《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》が動き出すと地上戦力は完全にシャットアウトされてしまう。
上から殴るか下から吸い尽くすかという戦いの火蓋が切って落とされた。

お互い配信をしているためそれぞれ談笑しながらもリスナーへの配慮を忘れない和やかな雰囲気で進行している。

G1

先手はルルーク

先手2ターン目からクリーチャーを出すことも除去を構えることもできる。
なによりこのゲームで出来るだけたくさん引き込みたい《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》をしっかり持っている。
少し迷いながらもキープ。

沼山も2ターン目の動きが約束された初手をしっかりキープ。

ルルークが《バグベアの居住地/Den of the Bugbear(AFR)》、沼山が《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance(NEO)》とシステムランドを置きあい。
問題の2ターン目。
《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》を出し攻めの姿勢を見せると、《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester(VOW)》で応じる。
ブロッカーは《ドラゴンの火/Dragon's Fire(AFR)》でしっかり対処してルルークは4ターン目に《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》の着地を目指す。

3ターン目に引き込んだ《ヴォルダーレンの美食家/Voldaren Epicure(VOW)》で淀みなく2+1でマナを使い切り、タネとなるアーティファクトを用意すると即座に起動。
ラクドスの本領発揮だ。
予選で1度敗北しているからか《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》を見て少し呻いたルルークだが、力強く《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》を走らせ作り出した宝物から《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures(NEO)》を使い《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》破壊する。
これで機能不全を起こすはず………だった。まさかあと2枚も手札にあるなど想像していないだろう。
沼山は《冥府の掌握/Infernal Grasp(MID)》で厄介なドラゴンを処理すると即座に2枚目の《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》を着地。じわじわと自分の盤面を構築していく。

しかし二の矢を用意しているのは沼山だけではない。

ルルーク「うん」

少し考えると意を決したように嘆息すると《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing(ZNR)》を土地としてキャスト。ルルークも再度《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》!!空中からライフレースを仕掛ける。

この時点でのライフは、ルルーク:9 沼山:10
一撃の重さこそティムールトレジャーに分があるが《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》からのドレインにより差がつかない。
通算3枚目となる《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》をキャストすると
「それはまずいな!」と洩らす。対する沼山は笑い声で応える。
まだまだ予断を許さない状況だが、天秤が傾く方向が決まりつつあるようだ。

触れにくい航空戦力も《不笑のソリン/Sorin the Mirthless(VOW)》を引いたおかげで大事に至らなそうだ。
《命取りの論争/Deadly Dispute(AFR)》で5枚目の土地を引き込むと《ヴォルダーレンの美食家/Voldaren Epicure(VOW)》を置きターンエンド。
アーティファクトの枚数とルルークのライフは共に6となり、事実上の死刑宣告をなされる。
次のターン残った手札が《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》と《ハイドラの巣/Lair of the Hydra(AFR)》であることを明らかにし、「足りてるか……」潔くライフを削り切られた。

GAME1 沼山くろ WIN

ルルーク「《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》3枚出てきたー!」
沼山「www」

サイドボード
沼山
IN
2《パワー・ワード・キル/Power Word Kill(AFR)》
1《蜘蛛の女王、ロルス/Lolth, Spider Queen(AFR)》
1《月の賢者の養子、ナシ/Nashi, Moon Sage's Scion(NEO)》
OUT
3《命取りの論争/Deadly Dispute(AFR)》
1《実験統合機/Experimental Synthesizer(NEO)》

ルルーク
IN
2《辺境地の罠外し/Outland Liberator(MID)》
1《絡み罠/Tangletrap(STX)》
2《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt(VOW)》
OUT
2《無謀な嵐探し/Reckless Stormseeker(MID)》
1《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(TSR)》
1《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》
1《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker(NEO)》

G2

再度先手のルルークは1.2.3とテンポよく動ける好配牌に見えるが、《エシカの戦車/Esika's Chariot(KHM)》《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》といった強力なアタッカーが不足している。

沼山も毎ターンしっかり動ける良好な手札をしっかりキープ。

《ヤスペラの歩哨/Jaspera Sentinel(KHM)》に対して《電圧のうねり/Voltage Surge(NEO)》にカーソルが動くが、自分の動きを優先して《ヴォルダーレンの美食家/Voldaren Epicure(VOW)》を送り出す。

《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》→《ヤスペラの歩哨/Jaspera Sentinel(KHM)》と動きしっかりと助走をつけるルルーク。
続く2ターン目沼山側は《冥府の掌握/Infernal Grasp(MID)》を引き込む。《電圧のうねり/Voltage Surge(NEO)》×1 《冥府の掌握/Infernal Grasp(MID)》×2という頼もしい手札となるが、アーティファクトの供給源が心もとない。
《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》につながりかねない《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》を《電圧のうねり/Voltage Surge(NEO)》で処理するも、続くターンには2枚目の《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》と《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker(NEO)》が登場する。
《ヤスペラの歩哨/Jaspera Sentinel(KHM)》+《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》のバックアップを受けて3ターン目とは思えないアクション数だ。

3ターン目の盤面


トップからの《命取りの論争/Deadly Dispute(AFR)》で《ヴォルダーレンの美食家/Voldaren Epicure(VOW)》と《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester(VOW)》を引き込むと除去を打つべきか、宝物を残すべきか逡巡する。
自分の最も強い動きである《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester(VOW)》を送り出しターンを返す。これで《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》はどの角度からでも処理できる構えとなる。
虎の子をドラゴンに触られたくないルルークは目下の邪魔者である《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester(VOW)》を《ドラゴンの火/Dragon's Fire(AFR)》で処理。トークンと《ヤスペラの歩哨/Jaspera Sentinel(KHM)》でアタックし着実にライフを詰めていく。
《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》を1枚場に差出し、《冥府の掌握/Infernal Grasp(MID)》を構えてターンを返す沼山。
これで《キキジキの鏡像/Reflection of Kiki-Jiki(NEO)》、《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》で最も邪魔なカードを選択して破壊できる。

しかし敵もさるもの引っ搔くもの。この状況で最も厄介なカード《エシカの戦車/Esika's Chariot(KHM)》をダンプ。
2枚ある除去のうち1枚はあの猫戦車へ吸い込まれてしまう。
取り敢えずはと《キキジキの鏡像/Reflection of Kiki-Jiki(NEO)》を処理するもすでに宝物は4つ。このままターンを返すと《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》まで出てきてしまう。だが猫戦車も放っておけない。
前門の《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》、後門の《エシカの戦車/Esika's Chariot(KHM)》。
しかしそんな心配は無用の長物と化す。ゲームを決定づけるトップからの《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》。
《冥府の掌握/Infernal Grasp(MID)》はドラゴンをせき止めることとなる。

次のドローが《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre(MID)》でないことを確認して
沼山「これはダメですね」

GAME2 ルルーク WIN

サイドボード
沼山
IN
2《墓地の侵入者/Graveyard Trespasser(MID
OUT
1《命取りの論争/Deadly Dispute(AFR)》
1《月の賢者の養子、ナシ/Nashi, Moon Sage's Scion(NEO)》

ルルーク
IN
2《怪しげな密航者/Suspicious Stowaway(MID)》
2《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt(VOW)》
OUT
2《否認/Negate(M20)》
2《レンと七番/Wrenn and Seven(MID)》

G3



沼山初の先手となる第三ゲーム。お互い7枚の初手をキープ。

《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester(VOW)》を《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt(VOW)》で処理。
《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw(KHM)》へ《電圧のうねり/Voltage Surge(NEO)》

お互いに主導権を渡さない。
《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker(NEO)》を尻目に2枚の《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》を用意する。
1ゲーム目の再現となるか、ルルークから呻き声が洩れる。

《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker(NEO)》第二章で《エシカの戦車/Esika's Chariot(KHM)》を1枚入れ替えると引いてきたのは《ヤスペラの歩哨/Jaspera Sentinel(KHM)》。
トークンから宝物を作成しながらアタックするも《ヴォルダーレンの美食家/Voldaren Epicure(VOW)》と1/1トークンに阻まれる。
それでもようやくたどり着いた4マナ目から《エシカの戦車/Esika's Chariot(KHM)》。
対する沼山のドローは土地。血トークンを生成するカードか単体除去でいいのに何も引き込めない。そうこうしている間に《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》までも登場。
地上が膠着しているうちに打開できる何かを引き込みたいが……たどり着いたのは4枚目の《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》。

沼山「なんだこれ」
ルルーク「でも地味にライフゲインがなぁ」

返すターン、《エシカの戦車/Esika's Chariot(KHM)》のキャストによりトークンを追加すると
《キキジキの鏡像/Reflection of Kiki-Jiki(NEO)》で《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》をコピー

そのトークンを《エシカの戦車/Esika's Chariot(KHM)》でコピー

という流れで強引に手綱を手繰り寄せる。しかし《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil(NEO)》のドレインは効いている。もし《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre(MID)》にたどり着ければ。
ドローは《蜘蛛の女王、ロルス/Lolth, Spider Queen(AFR)》せめて土地が4枚でさえなければ《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》を止められていたかもしれない。

沼山「ダメです。ありません………ありがとうございました。」


GAME3 ルルーク WIN

沼山くろさんにアンケートをお答えいただきました

1.デッキ選択理由
霜剣山の製錬者が強く使えて赤黒。
サイドボード後アグロ的な動きもとれるため。

2.デッキのこだわったポイント
サイドボード後3マナのクリーチャーが増えるため、アガディームの覚醒の採用。

3.今年の抱負
楽しくマジック!

4.まじすとへの要望
楽しかったです!また参加します!

5.好きなカード
強迫(スタンダードで長くお世話になってるため)

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