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140字小説 「遊び相手」

私の家には子供がいる。今どき珍しく着物を着た子供だ。よく遊び相手になるのだが、基本的にじゃれているだけだ。大した遊びは行わない。私は物が持てないし、子供も物を持てない。二人して、商売で忙しい大人たちを尻目に、顔を突き合わせているだけだ。招き猫と座敷童の日課など、そんなものである。

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