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140字小説 「大事な写真」

埃をかぶった写真立てを手に取ると、そっと小指で払い退ける。屋外に並んだ一組の男女が、こちらに笑顔を向けていた。恋仲だろうか、お互いに手を取り合って仲睦まじい。幸せの真っ只中にいることを疑わない、とても良い画だった。「どうして、こんなことに」娘夫婦の写真が汚い棚の裏に落ちるなんて。

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