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140字小説 「思い出配り」

駅前で箱を配ってる人がいた。ふと子供の頃、綺麗な人が配っていたちり紙を、気取って受け取らなかったことを思い出す。謳い文句は「貴方の思い出をお配りします」。胡散臭かったが、他の通行人は箱の中を見て嬉しそうな顔をしていた。私も受け取り、家に帰ってから箱を確認する。中身はちり紙だった。

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