見出し画像

自己効力感のある子を育てたい⑤〜小学校教員としてできること〜

1.はじめに

いつもお読みいただきありがとうございます!
♡をもらうと、私の実践を読んでくださっている人がいるんだなと嬉しく思っています!大感謝です!!

さて、前回は自己効力感を育む実践「宿題で育む! vsやる気のない子」を紹介しました。↓

今回は二つ目の実践を紹介します!

2.授業で育む! 私も誰かの力に…?

①授業お悩みあるある

(また同じ子ばかりが発表する授業になってしまった…。)
(あの子いい意見もってたから発言してほしかったのに…。)
教師たるもの、この気持ちを経験していない人などいないのでは!?というくらいあるあるではないでしょうか。

発表しない原因は、いろいろな要素が関わり合っているはずです。
例えば…
・否定的な反応をされた経験が多い。
・人前で話すことが苦手な性格。
・黙って座っていることが良しとされる学級の風潮。
などなど…

そのため、一概にこれが原因だ!とは言えないでしょう。

しかし、自己効力感が低いことも関わっているのではないかと私は考えています。

②授業において自己効力感が低いとは

授業において自己効力感が低いとは、どのようなことなのでしょうか。

簡単に言うと、
「良くも悪くも評価がついてまわる授業という場において、友達や先生から良い評価をされた経験が少なく、自分が発言しても何も変わらないと思っている状態」
ということです。

実は授業という場は、前回記事で紹介した宿題の話とは、少し性質が違うと考えています。

③授業は小さな社会である!

どうして性質が違うのかというと、宿題の話は、比較する対象が「過去の自分」でした。

しかし、授業は周りの友達にどう見られているかが関わってきます。つまり、嫌でも他者との関わりが生まれる小さな社会なのです。

今まで全然発表しなかった子が、
「今までの自分よりできた!よーし、みんなの前で発表するぞ!」
となる姿は、想像しにくいですよね(笑)

たとえ今までの自分よりできたことよりも、友達に良い影響を与えられるか、「すごいね」と言ってもらえるかが、重要なのだと思います。

この小さな社会で自己効力感を育むことは、とても大事なことです。

なぜなら、小学校で自己効力感を育むことの目的は、「自分は”社会に対して”何かできるかも!」という気持ちを高めることだからです。

学級や授業という小さな社会は、そのための身近な練習の場であると思うのです。

そんなことは分かっている!反応しなさいと何度も伝えている!」と言っていた過去の私へ。
恐怖の「いいと思います集団」ができますよ。笑

※いいと思います集団:何も考えずにとりあえず肯定的な反応をしようとした結果、全ての事象に「いいと思いまーす」と答える集団。なお、「どこがよかったの?」と聞くと沈黙する。

じゃあどうすれば!?と思ったあなたへ↓

④「すごい」が見える仕組みづくり

みんなの前で声を出すのは苦手。自分だけ間違っていたらどうしよう。
そんな気持ちはすぐには変わりませんから、「振り返り」をノートに書くときに、「ピカ1」というものをつくりました。

「ピカ1」とは、今日の授業で自分の意見が広がったり深まったりしたとしたら、誰のどんな発表によるものかをそれぞれがノートに書く活動です。ノートが集まったら、ランキングにして掲示しました。

これで、直接大きな声で「すごい!」と言われなくても、誰かに認めてもらえたことが一目瞭然です。

ランキングには載らなくても、子どもたちは「俺は○○に投票したよ!」などと話し出すので、「私の発言いいと思ってくれた人がいるんだ…!」と気付くきっかけになります。これが、授業において自己効力感が上がる瞬間なのではないでしょうか。

⑤最初からうまくはいかないけれど…

もちろん、発表が苦手な子は最初は発表しませんから、教師が「○○さんいいこと書いていたから教えてくれる?」と発言を促します。

しかし、一度「ピカ1」ランクインすると、全くと言っていいほど発表しなかった彼女は、心に火が付いたように自ら発表するようになったのです。

教師が褒めることにも限界があり、子ども同士で直接認め合うことにも限界があるでしょう。また、この方法が有効かは個人差もあります。
しかし、自己効力感の低さからくる「伝えることの苦手さ」には、「すごい」を見える化することでアプローチ可能なのかなとも思ったところです。

3.おわりに

授業、悩みますよね。(私も公開授業に向けて絶賛悩み中です。笑)
でもたまには、教科の目標をそっと横において、子どもの自己効力感を育むために、この授業するぞ!と考えてみるのもありなのかなと思います。

だって、最終的に育てたいのは、お勉強ができる子じゃなくて、社会と積極的に関わろうとする力のある子なんでしょ?なんて…。

それが幸せにつながると思うのです。

最後までお読みいただきありがとうございました!(マガジンもぜひ!)

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?