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友達の友達

SNS上で友達になっている
大学時代の友人の
友達リストから見つけた
過ぎ去りしあなた

プロフィールのトップページ
顔写真に残る二十年ほど前の面影

見つめられる私は
青い海を漂っていた磯の鮑

位置情報と共にアップロードされた
最新の投稿写真の中に佇むのは

新築と思われる一軒家の前で
満面の笑みでVサインする
三、四歳位の幼な子

足跡の残る機能がないことに
ほっとしながら
更に画面をスクロールさせ
空白を埋めるように始める
時間旅行

こんな仕事
してるんだ

こんな所
行ってたんだ

この頃
大黒柱となったんだ

端末から眺める世界
あなたから見た私は
友達の友達

あなたは私に気づくだろうか
友達の友達リストをたどって……

投稿に
さりげなく
いいね!してみようか

友達リクエストのボタン
押してしまおうか

お久しぶりのメッセージ
送ってみようか

それとも
もう一つのアカウントで
初めましてのふりしてみようか



問いかけだけを携えたまま
二つの季節が駆けてゆく

未だ
透明人間のようにたどる
友達の友達リスト

不意に
トップページの顔写真と
目が合う

見つめられる私は
青い海を漂っていた磯の鮑

口を衝いて出る

おはよう

位置情報と共にアップロードされた
最新の投稿写真をチェック

そして
確かめる

端末の向こう側
今日も
あなたがこの世界に
存在しているということを

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