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ずっと書いてきた小説を仕事にしないで、途中から何となく始めたイラストで仕事をするようになった理由

ひとつ前の記事で、
・イラストをはじめた理由
・イラストを描き続けられた理由

について書きました。

今回の記事はその続きです。

前記事と重複しますが、
私はもともと小説を書いていて、今でも本業は小説書きだと思っていたりします。
(作品数で言ったら絵の方が桁数が違うし、小説なんて書いていない時の方が多いのに笑)

でも、決まってないけど何か書こうと思って何となく書き出すことが出来ず、
書きたい!と思うアイディアが降ってこないと書けない、
無理矢理ネタ出ししたりお題をもらって書くのが難しい

という難点を抱えていました。


話は少し変わりますが、以前私の身近に、イラストレーター志望の方がいました。
その方は子どもの頃からお絵描きをしていたこともあり、センスも良く、めちゃくちゃ絵が上手い(10年描き続けた今の私よりも上手いです)です。

けれど、なぜか全然絵を描かないのです。

仕上げるのは年に5枚以下とかで、一枚絵を仕上げるのは年に1~2あればよい方、あとは落書きを清書したくらいのラフな絵でした。
(落書きもめちゃくちゃ上手いのですが)

絵を描きだして数年の私は、当時イラストレーターを目指す気は全くありませんでしたが、なんとなくのイメージで、
「イラストレーターになりたいのなら、もっと作品をアップしたほうが良いのでは…???」と勝手に思っていました。

本人曰く、
「ちょっと描きだしてすぐ、下手過ぎてイヤになってしまい、最後まで仕上げられない」
「こんな納得のいかない絵を自分の絵として見られたくないから、過去絵もすぐ処分してしまう」
とのこと。


その人にとって、「自分の作品(絵)は自分のこだわりを表すもの」だったのかもしれません。
絵にすごく思い入れがあるからこそ。
理想があるからこそ。
だから、
熱意が起こらないと書き上げられないし、
納得のいかないものは仕上げる気が起こらないし、
人に見せたくない…。

その方の姿を見ていて、私は自分の小説へのスタンスにイメージを重ねました。
なんだか似ているなあと。
私も「自分の小説」への思い入れが強いからこそ、こだわりがあるからこそ、
心から書きたいと思えないと仕上げられないと思うし、
書き始めるのに自分の内側からの衝動を待つ必要がある…。

作品制作は好きだし、ずっと頭のどこかに小説執筆のワクワクがあるし、大事に思っているけれど、作品数は少ない…。

私もその方も、こだわりたい大事なことがあるからこそ、作り上げる技術はあれど、仕事にすることが難しい状況になっていると思いました。(少なくともその時は)


私がイラストレーターのお仕事をさせていただくようになって、有難いことに小説の表紙を描かせていただく機会が結構ありました。

実際プロとして活躍されている作家さんを見ると、すごいのです。
私とは取り組み方が全然違うのです。

本当に、スケジュールが空くことなく何かしらず~っと書いているんですね。
書籍化関係なく、
書きたい物語がたくさんあって、あるいは書きたい衝動がおさまらなくて、
この連載が終わったら次の連載がすぐにスタートする感じで。
作品数がどんどん積み上がっていくのです。
そして次々発表される作品を楽しみにするファンの読者の方も増えていきます。

それに、書き下ろし作品を依頼されて執筆されることもあります。
そういう作品は、題材が決まっていたり、何かしらのストーリーの縛りがあったり、文字数制限や〆切もあります。
言われても思いつかない~とか、この設定じゃ無理~とか、書きたい熱意が出ないと~なんて言ってる場合じゃないのです(笑)
仮に自分の得意な作風や設定じゃなくたって、楽しんで、完成度の高いものを執筆されているのです。

それをできるのがプロの作家さんなんだな、と改めて実感しました。


逆に、私は絵だとそれができるな、とも思いました。

絵をしっかり仕事にする前は、暇さえあればずーっと好きな絵を描いてアップしてましたし、絵を描き終わってすぐ次の絵を描くような状態でした。
あれも描きたいこれも描きたいと思ったり。
お題をもらって描いてみたいな~とも思っていましたし。
(募集したけどお題が来なかった話はまたいつか…笑)

また、私は趣味で描いている絵がすごく狭い範囲なので(ご存じ、和服の男女の恋愛絵ばかり描く人です)、
ご依頼いただく自分では思いつかないような設定、
これまで描こうと思ったことがなかったビジュアルのキャラクターなど、
自分の趣味の分野から出ることになっても、とても楽しいなと思えます。
縛りがあってもそれはそれで燃えたりします(笑)

知らなかった世界が興味深いというか。
お仕事をいただかなかったら描かなかったであろうものもあり、世界を広げてもらっている感じがしています。


だから私は、今は自分にとって物語を書くことは「ライフワーク」みたいなものなんじゃないかなぁと思っています。
利益になるとか、仕事になるとか、評価されるとかは関係なく。
誰かから要求を言われることも無く。
これからも人生を歩むのに、ずっと心の芯の部分にあるものなんだろうなと。
書きたいときにしか書けないけれど、それでも「小説書きが本業」と自分が思ってる分にはいいんじゃないかなと。

というか、そういう形の絵描きの方も結構いますよね。
私の場合はたまたま小説がそれで、お絵描きの方が仕事にするのに向いていただけで。


とはいえ……
私は自分の小説を完全に自分のギャラリーに飾っておくだけというつもりもなくて。

最近、なんと小説の賞への応募をしてるんです!(笑)

「ええ?! ここまでの流れで、小説はライフワークで仕事にしないんじゃなかったの?!」と思うかもしれませんが……

小説家になりたいわけじゃなくて(そもそも無理矢理書けないので職業作家に向いてない)、
既に書いた小説を応募しているのです。

書き下ろすのは無理でも、過去作品の書籍化やコミカライズ化等のメディアミックスになったらいいなぁという夢がありまして……。

応募している!といってもまだ一つなんですけど……笑

「長いこと何もしてこなかったのになぜ今更?」という理由はですね、、
2年前に、ホントに偶然見つけたpixivのタグをつけるだけのコンテストに、これまでホントになんとなくタグをつけて応募してみたら、入賞させてもらったんです…!
漫画家の十屋つぐみ先生にコミカライズしていただいて一迅社より出版されています…!


私はずっと、
自分の小説は自己満足のきらいがあるし、、、
流行もおさえていないし、、、
大勢の人が支持してくれるタイプではなく、本当に少ないわずかな人たちがそっと見てくれている……
という感じで、まさか賞に引っ掛かることは無いんだろうなと思っていました。
だから、受賞内定の連絡を頂いたときも、とっても嬉しい<<<<ビックリでした。

巡りあわせが良ければこういうこともあるんだな~と分かったので、まずはとりあえず応募してみよう!と思ったのです。

あと、条件面が合わず実現には至らなかったのですが、賞とかではなく普通に掲載されている作品を見て、コミカライズの打診をもらったことがありまして。
その経験も背を押してくれました。
「絶対・全く・望み皆無!ってわけでもないのでは…?」と


なので最近は絵はお仕事、小説はすでに書いたものをたまに賞に応募してご縁を待つという感じになっています。

とはいえ、私は十年単位くらいでガラリとライフスタイルや大事にしたいものが変わるタイプなので、この先どうなるか分かりませんが…(笑)
もしかしたら数年後にはバリバリ商業小説を書いているかもしれませんし……笑

いや、まさか自分がイラストレーターになるとは露程も思っていなかったので、こうなってくると世の中何があってもおかしくないな、と感じています。

子どもの頃の自分が今の自分の状況を知ったら、きっとビックリすると思います。
「ええ?! 小説家じゃなくて、イラストレーター?! っていうか、将来私、絵を描くことになるの?!」と(笑)


→この記事の続きっぽいものを書きました。




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