田口るり子 rurikotaguchi

写真家 photographer 東京都世田谷区  〈Instagram〉 https…

田口るり子 rurikotaguchi

写真家 photographer 東京都世田谷区  〈Instagram〉 https://www.instagram.com/ruriko_taguchi 〈HP〉 rurikotaguchi.jp

最近の記事

本のこと

最近 写真を撮っていると頭の中の考えを映像化することに全力集中脳みそ切り替えするので、言葉(で説明する事)を忘れてしまう。最近人と話していて、全く言葉が出なくてアホになったかと思われました。あー、えーっと頭に映像は浮かんでるんだけどな、説明できないな。まあいいか、黙っとこ。みたいな。いつものことか。それはそれでいいのだけど、仕事先で支障が出てきたのと、作品に付随する文章を用意する必要がある時(ステートメント等)は一回頭から追い出した言葉を外から補充する必要がある。一旦手に取

    • 見るということ

      写真は目の前にある物体が写る。でも写しているのは本当はそこにあるそれそのものではない。 もう少し先にあるもので、先というか底というかなんと言っていいのかわからないけれど、別のもので、ずっとそれを見てきて、今はそれを撮っている。私だけでない、きっと写真家はみんな同じ目を持っていると思う。 子供の頃、父に絵の手解きを受けていた。それは技術的なことより感覚的なこと、ものの見方、の手解きだった気がする。 デッサンをしよう、と、飼っている金魚の水槽の前に座り2人で描いていた。当然わ

      • out of noise うつくしいこと

        私はいつ、美しいことを習ったのだろう。 最近撮り始めた新作 out of noise は、 美しい と思う感情がどこからくるのか、それは一体なんなのか?とずっと疑問に思っていた気持ちを形にしようと思ったのがベースにある。 私がおそらく2.3歳で、あいうえおも把握していない頃、母が花を見て、 綺麗ね と、私に言った。それを言う母に、私は疑問を覚えたのを記憶している。 母にそんな深い意図はなかったと思う、自然を愛し情緒豊かな子に育てようと思う普通の親心だ。ただ、私の

        • 水丸さんのこと

          先日、世田谷文化館で開かれていた「イラストレーター安西水丸展」に行ったので、水丸さんのことを書こうと思う。 安西水丸さんとお会いしたのはたった一度だけ。 ただ、回数や時間に関係なく、私にとってはとても大切な思い出がある。 2011年の春、代官山で「安西水丸+和田誠 AD-LIB 4」と言う展覧会があるから行こう、と知人に誘われて伺った。 道中、和田誠さんと安西水丸さんのプロフィール的説明を聞きながら、ああ、家にある小説のあのイラストを描いた人か。とか、ぼんやりと思いながら