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JMTの準備(パーミットの取得)

2019年8月下旬〜9月半ば、夫婦でジョン・ミューア・トレイルをスルーハイクしてきました。

ジョン・ミューア・トレイル(以下JMT)とは、アメリカ西部にあるヨセミテ国立公園から米国本土最高峰のMt.ホイットニー(標高4,418m)までをつなぐ、総距離340kmにも及ぶトレイルのこと。
近年ロングトレイルに関する書籍や映画が公開されたことで年々知名度も増し、世界的にも人気も爆上がりしてる次第です。


JMTに行こう!と決めたのは昨年の1月ごろ。
2019年は残雪が多かったことから、出発の時期を8月下旬に決めて計画を立てていきました。
(※今年度2020年は平均より雪が少ないとのことですが、
その場合、雪解け水によって川の水かさが増すので早い時期に歩くハイカーは渡渉には十分ご注意を。出発までこまめにトレイルコンディションをチェックすることお勧めします。

Googleで、「JMT Snow conditions 2020」「JMT Trail conditions 2020」など検索するといろいろ出てきます。)


さて、JMTなのですが、歩くためにはパーミット(許可証)が必要です。

というのも、自然保護の観点から入山規制がされており、ヨセミテ国立公園から出発し、Donohue Passという峠を越えて歩ける人数が45人/日と制限されているのです。(ヨセミテバレーエリア出発はそのうち20人/日)

パーミットの取得は抽選方式で、申し込みは入山希望日の24週前(168日前)から受付。その1日前の169日前に、オンラインアプリケーションから必要事項を記入して申し込みます。


わたしたちの場合は8月下旬からの希望だったので、3月初旬からのパーミットの抽選に申し込みました。

数あるトレイルの中でも屈指の人気のJMT。
そう簡単に当たらなかろうと思ってはいたものの
案の定、
Denied: Yosemite Wilderness Lottery
の件名から始まるメール。

本文に辿り着く前から断られる始末。


入山希望日は3週間まで任意の期間を選択でき、選択した期間中は当たらなければ自動で翌日の抽選にまわしてもらえます。だいたい日本時間で朝の時間帯(4〜7時くらい)に結果のメールが届きます。
そして毎日届く落選メール。ほんと人気すごいな!!!

結局わたしたちは、JMTのトレイルヘッドであるHappy Isleから入るパーミットは取れなかったので、代案としてMono / Parker passをトレイルヘッドに選択。
ここからのスタートは比較的簡単に取得できます。
いま見る限りでも、まだ十分余裕がありそうです。(2020年3月現在)


ちなみに先に言っておくと、Mono / Parker passスタートでも楽しめることは間違いないと思います。わたしは昨年ハイカーズデポのべーさんにアドバイスをいただきましたが、これが大当たりで、人も少なく景色も壮大で美しく、初日からいたく感動したことを覚えています。


その後、4月頭ごろに航空券の取得とパーミット予約。
パーミットの予約が完了すると、支払いフォームが記載されたメールが届くので、受信から48時間以内に支払いを済ませ、予約完了となります。
料金5ドル/名+5ドル/件です。
これにてひとまず安心。あとは実際に行くまでの準備(装備、体力づくり、仕事の調整など)段階に。
こんな流れでした。


ちなみに準備で特に役立ったのはハイカーズデポから出ているJMTプランニングガイド。
もうこれ、ほんと虎の巻。

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JMTは人気もあるし、日本人で行かれた方が丁寧に紹介しているウェブサイトもいくつかあり、そちらにも非常に役立つ情報満載です。
が、JMTプランニングガイドに関しては出発前の準備から現地に到着したあとまで、自身で予定を立てるうえで必要な情報がとにかく網羅されている&毎年改訂されているので鮮度の高い情報が提供されているということ。

行く人も、行こうか検討中の人も、必読の価値ありです。

「Leave No Trace」の和訳も必見です。
ハイキングをするうえで、自然の中に身を置きながら旅をするうえで、非常に重要な話です。


また、

JMTの一筆書き、両端の起点にこだわらない

ジョン・ミューアがなによりも伝えたかったのは自然保護です。
決してその名を冠したトレイルを歩き切ることではありません。

こうあるように、予約が取れづらいトレイルヘッド=人気の高い、多くのハイカーが歩いていることから自然へのインパクトが強いことと考え、他のトレイルヘッドも選択肢に入れてみてください。

せっかくスルーハイクするなら一筆書きを、と思う方も多いと思います。わたしも実際そう思っていました。
ただ、先に触れたようにほかのトレイルヘッドから入っても十分楽しめますし、美しい景色も十分味わえます。パーミットが取れなかった方、どこから出発しようか検討の方、今一度このことを念頭に置いてみてください。

次の記事では、実際に行った行程を紹介していきたいと思います。
それでは!


いただいたサポートは活動費(主にトレイルにおける撮影旅など)に充てさせていただき、内容はノートにて記事を投稿し、みなさんと情報共有できるようにします。