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関係性を捉え直す 対話するリーダーシップ#30

あるグローバル企業のアジア太平洋地域のリーダーシッププログラムを担当することにあたって学んでいることをお伝えしてみたいと思います。学んでいること、そこに関する問いをここで共有することでビジネスパーソンの方々のご参考になったらと思っています。

今回は、関係性を捉え直すというテーマを取り上げます。前回までの2回では、思い切ったことをやる時の心構え、そこから生まれる創造性についてお話ししていました。創造性というと、アートの世界だったり、いわゆるクリエイティブといわれるような世界だったり、自分とは少し遠い世界かなというイメージを持たれる方もいるかもしれません。ここで提案してみたいのは。ご自身のキャリアの創造性、ご自身のキャリアを作っていく、ひらいていくことを創造と捉えてみることです。年度ごとの目標設定などで、キャリアの開発目標といった項目が入っていることを、もっと創造的に捉えてみると・・・という提案です。

だとすると、どんなことが必要になるのでしょう。
ステークホルダーマッピングという手法があります。ステークホルダーという言葉は、だいぶ使われるようになってきたと思いますが、直訳では利害関係者という言葉になります。元々は掛け金を保管する人ということだったようです。ステークホルダーマッピングとは、何か重要なことにあたって、影響力や決定力を持っている人を図や表に示してみることです。業務の中で、言葉として使ったりされたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただ、これをご自分のキャリアにとってのステークホルダーマッピングとなると、いかがでしょうか。そこまで意図的に一覧を作るということに違和感を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。ご自身を中心に、キャリアの展開にとって大切だと思う方を並べてみる、距離感、強さなども俯瞰すると見えてくるものがあると思います。この段階で、これから作っていきたい関係性も見えてくるのではないでしょうか。お話を聞かせてもらうのに、誰か紹介してもらえそうな方がいないのかなどです。リモートと職場に戻っているかたとでも、こういったところでの関係性の作り方は、だいぶ変わってくるとは思います。

キャリアにとっての関係性を一覧にしてみたところで、こんな落とし穴に陥っていないか、確認してみてください。

ステークホルダーマッピングの落とし穴
避ける 「政治はやりたくない」
素朴さ 「よい仕事をやっていれば、誰かが見ていてくれる」
矮小化 「自分にはそんな・・・」
しっかりと主張しない お願いしたいのは何か
相手に報いることを考えていない 相手にとって何が大切なのか
ステークホルダーを巻き込むことが大切だと思っていない
すべてのステークホルダーを入れていない 入れたくない人が除かれている

私自身、こういった書き方をすること自体に抵抗感はありました。特に、人の名前が入ると、どうしても主観が入ったりするものですし、感情も出てきたりもすると思います。ただ、こうすることで、改めて関係性を作りたいと思える方が出てきたりするものです。私の行っているプログラムの参加者からも、「もう関わりたくない・・・と正直思っていた方ではあったけれども、もう直接の業務を離れていることに気がついた。自分の希望しているようなキャリアチェンジをされた方なので、改めてお話を聞きにいってみようと思う」といったようなコメントもありました。

関係性にも、過去、現在、未来、いろいろな時間が混ざっているのかもしれません。日々忙しくしていると、現在の関係性の中に埋没してしまうことも多いと思います。会社や職場ですれ違う、顔を合わせるという機会も減ってしまっている方も多いのではないでしょうか。一覧にしてみると、関係性をありがたく思うことができる・・・そんなことも思います。一度、試してみてはいかがでしょうか。

今回の問い
ご自身のキャリアにとっての関係性、一覧にしてみるとどんなことが見えてきますか
一度書いてみて、過去、現在、未来と考えてみると、どんなことが浮かび上がってきますか

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