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まだまだ夏を続けたい

夏休みの雑記、パート2

健康診断を受けたとき心電図を測ってくださった看護師さん、お洋服を買いに行ったときにコーディネートを提案してくださった店員さん、髪の毛がまとまりやすいように髪を切ってくださった美容師さん、ステージの上で輝くアイドル― 至る所に潜むプロに出会うたび、わたしもその道のプロでありたいなと背筋が伸びる。わたしは、わたしなりに、自分が決めたその道で、日々スキルを積み重ねられているのだろうか、すこしでも成長できているのか、まだまだ答えなんてわからない。たぶんずっと、答えなんてでないんだろうけれど、それでももうちょっとだけ、また頑張ろうと思うのだ。夏休みあるある。


わたしはなんにでもハマりやすい。好奇心旺盛だといえば聞こえはいいが、何でもかんでも手を出してしまって収拾がつかなくなることもある。好きになったらとことん突き詰めるけれどその貪欲さと比例するように飽きっぽいところがあるものだから、高まった熱が平熱になった頃、自分の好きが継続されているものはひと握り。昔はそういう自分があまり好きではなかった。浮気者みたいでなんか嫌だし、ひとつのものに熱中して打ち込める強さみたいなものに憧れていたからだと思う。そんなとき、「なんにでも興味を持てるのが羨ましい」と妹に言われて驚いた。「わたしはそこまで熱中できるほど好きなものに出会ったことがない」とも。隣の芝生は青く見えるというのはこのことか、と妙に納得して、何にもなれない自分がちょっとだけ好きになった。


誰かの特別な日に居合わせられるのってたぶん、ものすごく、凄まじく幸せなことなんだと思う。ほかの誰かにとってはなんでもない1日も、30回のうちの1回だとしても、やっぱり誰かにとってはとんでもなく特別な日かもしれないのかと思うとなんだか胸がどきどきした。どんな目をしてステージを見つめるんだろう、わたしもこんな素敵な顔をしているのかな。だれかの特別に居合わせた時はいつだってしあわせでぽかぽかしてこっちまで嬉しくなる。何度だって特別を共有できるしあわせを噛み締める。今日は、わたしの友達の特別な日。ああ、わたしまでどきどきしてきちゃったなあ。


鬱陶しいくらいにどうでもいい自意識過剰な感情をどこかに追いやった瞬間にすっとした。自分の思いに正直になんてなかなか恥ずかしい。だからずっと黙っていた。ここまできたらこんなもの、単なる開き直りか、やけっぱち? まあ手段や手立てなんてこの際どうでもいい。無理やりにでも気が付かされた感情は、大事に抱きしめてやろうと思う。名前はまだつけられないし、つけたくないけれど、いつかそれだ!と点と点が繋がる日を心待ちにしていようかな。私だけのひみつ、たまにはこんなのもいいな、なんてね。

夏が終わるねえ……!

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