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洋書読書と辞書について

「洋書の多読」は言語学習を始めた人なら必ず目にする言葉です。そして、これにはたいていの場合「辞書を使わず読みましょう」という言葉も続きます。それなりに意味のあるアドバイスだと思います。
 しかし現実に洋書読書を習慣化されてる方々に接してくると、辞書を使う人の方が多いようです。私の狭ーい経験でのお話ではありますが。

 今日はこの洋書読書における、辞書の扱い、について書こうと思います。

まず、本題に入る前に、

 私は去年の10月までただ黙々と洋書を読んでいました。読後の感想を言い合う場もなく、面白かった本を他の人に紹介することもなく、すべて自分の中だけで片付けていました。せいぜいこの note の記事で読んだ本や、ツイッターで今月購入した本を紹介する程度です。ほぼ一方通行のコミュニケーションです。

 そんな読書環境に変化を与えたのが「みんチャレ」です。
 「みんチャレ」はランニングの目標を達成するために導入したのですが、これを洋書読書にも利用しました。その際に選んだチームが良かったのか、期待以上に楽しい環境を得ることができたのです。
 昔のチャットルームのような楽しみがそこにはありました。洋書の読書がベースになり、双方向の賑やかなコミニュケーションを経験することができました。(過去形で書いていますが、今も続いています)

 そのチーム内で遭遇したのが辞書をめぐる話題です。

“辞書は使わない”呪縛

 私の印象に残った会話は、新しく参加されたメンバーからのコメントから始まりました。(セリフはうろ覚えです。内容だけ汲み取ってください)

「洋書読む時、辞書は使いますか? 多読だと辞書を使わないというルールがありますが、私は使いたいです。使っても良いものなんでしょうか?」

 質問した本人以外は(私も含めると)4人になりますが、4人とも「使います」が答えでした。なんだ、みんな使うんだ(笑)

 でも、驚きの発言がチームのオーナー(管理者)さんからありました。

 わぉー、また辞書問題ね(^^)。これは本当に永遠の課題だわね。何度めかしら?

 悩んでいる人はいるだろうな、とは思っていましたが、永遠の課題扱いされているほど、この質問は頻出していたんですね。
 この話題はのちに別のメンバーからも出されています。多くの洋書読みの人が悩んでいらっしゃるようです。私自身は辞書を使うかどうかは過去に書いた note の記事にもあります。

“私は英語多読をしているつもりはありませんので、辞書を使うことに躊躇はしません。”

「多読ではない...」ちょっと姑息ですが理屈を付けた上で、世間でまことしやかに言われ続けている “辞書を使わない” ルールを完全に無視しています。
 私は以前から辞書は使うと宣言しております。

罪深いルール

 質問された方は初心者然としたレベルの本を読んでいるわけではありません。すでに洋書を読む習慣は出来上がってる方です。

 そもそもこのチームには全くの初心者はいません。ただ、何らかの挫折本がある、もしくは何冊も読んでいるけど最後まで読み切ったことがない。そんな中途半端を克服したくて、このチームに参加されているような人たちばかりです。

 経験があるにもかかわらず、このルール違反に不安を抱いている方が何人か現れているようです。他の人に尋ねてみたくなるほどに。
 これはもはや 呪縛 と言っていい。

“辞書を使わない” の真意を考える

 確かに紙の本を読みながら、紙の辞書を引いて調べていたのでは、文章が分断され、ストーリーが頭の中に出来上がりません。わからない単語が多ければ中断される回数も増えるので尚更です。ストリーが読み取れなくて挫折してしまいます。

 最初の1〜3冊のうちに、どんなレベルであろうと「読めた」と言う経験をしないと、次はないような気がします。
 だから、辞書を使わず読めるレベルのものを選ばせるために「辞書なしで読みましょう」が真意ならわかるのです。納得します。

 しかしいい大人なら、初学者だとしても、いつまでも小学校低学年レベルの本を読み続けるのは難しいです。読めても楽しくないので洋書読書の習慣化には結びつきません。
 レベルを高くした本を選びたくなります。そうすると自然と辞書を使いたくなります。ところが「辞書を使わない」と言うルールが蘇り、ジレンマに陥ります。

 レベルを上げたいが、世間では辞書は使うな、と言われている... でも辞書なしで読める本では読書を楽しめない...

紙の書籍、紙の辞書しかない時代のルール

 だと、私は思います。“辞書を使わない” は、罪深いルールと思いませんか?
 チャレンジしている人たちを悩ませている (^^;)

 今は電子書籍と電子辞書が普及し、読書中に単語をドラッグするだけで辞書が引ける時代、厳格にこのルールを適用する必要はないと思います。古い過去のルールが根強く残っているとしか思えません。昔のままのルールを、著しく進歩した現在の環境にも適用させるのは無理があるんじゃない?

 最近の洋書多読の解説サイトを読んでいないので、柔軟に対応するようアドバイスを書かれているページもあるのかもしれませんが、現状を見る限り多分昔のママの情報が多そうです。

 と言うよりも、最初に “辞書を使わない” と言う文言に接した時の印象が強烈過ぎるのかもしれません。

趣味か勉強か

 私が思うに、単なる読書好きの延長の「洋書の読書」と他言語(英語)の経験値を上げるための「洋書の多読」を区別すると楽になるのではないでしょうか?

 先に書いたように、私は試験とか留学に備えてとか、他言語力アップの一つの方法として洋書を読んでいる訳ではないので、平気で「多読ではない」と言えます。ところが、もしTOEICとか英検を意識していると、そう簡単には言い切れませんよね。学習しているんだと言う意識が強いと、学習カリキュラムの一部のようなルールを無視することに対して罪悪感を持ってしまうのかもしれません。

 このあたりを割り切ってしまえば、辞書を使うか使わないかは自ら答えを出せる気がします。
 私が参加しているそのチームは、みんな辞書使いです (^^)v 見たところ、そもそも読書好きなんですよ、皆さんが。

 ぶっちゃけ「読書には興味ない、試験のために読んでいるんだ」と言い切る人だけが「辞書は使わない」を実践すれば良いのだと思います。そしてその勢いでたくさんの本を読むのです。数優先です。

 もちろん異論あるでしょう。それに個々の力量の違いもあります。辞書を使うか使わないかは、個人の裁量です。
 実際、チーム内に1人だけ「私は使わずに頑張る٩(๑❛ᴗ❛๑)۶」と宣言された方もいらっしゃいました。


◇ ◇ ◇

 洋書における辞書問題は、永遠の課題だ! とおっしゃったオーナーさん。日頃、メンバーさん達に気を配って管理されているなーと感じておりました。あねさんのように私は慕っておりました。(言葉には表してないし、私よりも若いけど)

 そんな、あねさんオーナー... 私がこのチームに入ってちょうど100日め。突如、オーナー交代のメッセージが「みんチャレ」から届きました。

 え、何っ? あ、あ、あねさん! なんてことを! 急に退室ですか!
「あとのオーナー、お願いします」って。なんで僕なの? え? 忙しくて活動が難しくなったって? 慌てふためきました。はっきり言って僕よりも英語力ある人、いるじゃん!

 と、ぶつぶつ文句を言いながらも良い機会だから、以前からチーム紹介文に追加して欲しかったローカル・ルールを、メンバーから了解を得て、ちゃっかり掲載しちゃいました。
 チーム内でのお喋りの内容を判断して、大丈夫だなと感じていたので実行しました。

 それを題材に、次回の note の記事は書こうと思います。