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「漂着者」秋元康的ドラマ作りに少し期待するということでしょうか?

企画・原作・脚本 秋元康 主演 斎藤工ということで、どんなものが飛び出すかという好奇心は感じるわけで、初回を観るが、なかなか謎に包まれている感じは興味深い。秋元は、もともと、ビジネスとして売れるためにはどうするか?を考える人だから、映画でもなんでも、導入部は流石にうまい。

昔から、こういう漂流ものみたいなものは多くあって、漂流してすぐに、女子高生がそれを見つけ、動画配信から始まるというのは、とても今風。そして、バズることで世間に知られるというのも新しさを感じる。こんな感じで、SNSを駆使した新しい記憶喪失ものというのもできるのだろうなと思ったりした。

そして、連続幼児殺人事件とリンクしていく。そして、彼が何気なく描いていた絵に、その事件現場や幼児のいた場所が書き込まれていたという話。それにより、彼は「予言者か」というような流れになる。

ここで出てくる、彼を追う新聞記者役の白石麻衣がなかなか良い。元々、乃木坂の中でもシャープな印象だったが、役者としてもシャープな役ができる人のようだ。存在感もある。

そして、事件を追う刑事が生瀬勝久。昨今は、ドラマによく出てくる存在で食傷気味なところもあるが、今回の枯れた無頼な感じの刑事は、なかなか良い。白毛まじりで、人生の重たいもの背負っているような感じがたまらなくカッコイイ感じ。これ見るだけでいいのかもしれない。

そして、斎藤工が病院の中で接触した人物が、自殺を図る。斎藤の記憶がないというのが疑わしくなる。そして、新興宗教の主である野間口徹の登場。こういう記憶のない人生を描く上で、新興宗教的なものはいかがわしさを増幅させるためにはぴったりの道具だ。そういうところは秋元はよく理解している。人がいかがわしく思うものを詰め込むことは重要なドラマのアイコンになる。

そして、普通の宗教の住職である、リリー・フランキーもいかがわしさでは同じである。そして、主治医の船越英一郎もまた何を考えているのかわからない。こう並べてみると、結構、いかがわしさでは豪華なキャストである。

女性が白石だけなのは、少し弱い気がするが、初回はそれでも十分に楽しめた。そして、謎をいっぱい散りばめて、なかなかの脚本。SNSの使い方などは、もう一つおじさん領域を超えていないが、これからネット上での反響というものがどう上手く使われていくのかは注目のところではあるのだろう。

斎藤工の仮の名前を「ヘミングウェイ」としたのは、ドラマ全体にどういう意味をもたらすのか?まあ、流石に色々と詰め込んである秋元ワールドである。それなりに楽しめそうだ。

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