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「ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○(第10話)」ざわざわが収まらないままに、ラストは結構面白そう

何故に、安藤政信が、カンフルニュースの価値を上げようとしたのか、ここでわかる仕掛け。今回のラストの前に安藤が「瀬古、お前も普通になったな」という台詞を吐かせるのは、主人公、瀬古璃々子は、普通ではないし、悪業に対しては許せない体質ということなのだろう。そのアナーキーな女をうまく利用できた安藤の思い。まあ、男が女を利用するという図は今も世の中に多くあることなのでしょう。

そこに至るまでに、今回は、文学賞の出来レースと、就活詐欺を安藤がカンフルニュースに追わせる。最初の頃からは考えられないように、足を使ってネタの真実を追う彼ら。この辺りは、日本の今のジャーナリズムに対する批判みたいな部分もあるのだろうが、昨今の「文春砲」的なものに似ている。いや、成功報酬はないから、似てはいないか?そういうエグみ満載のジャーナリズムの形が注目されるのは、新聞テレビが死に体だということなのだが、なんか、やっていることは、今ひとつエモくはない。

それは、今の戦争報道に対してもそうで、この情報過多の中で、日本が今、何をすればいいのか?ということを明確に論議できるような情報も場もないのが現実だ。それは、パンデミックの扱い方もそうなのである。テレビのワイドショーなど、飲み屋のおっさんの会話以上のものが出てくることはない。飲み屋でクダを巻けないから、こうなるのか?

このドラマにあるように、所詮、自分の利害関係のために、事件を追ったり、記事を書いていることが、少なくないということだ。インターネットで情報を誰でも発信できるということは、それを利用して、世の中をうまく動かすことができると思っている輩が増えたということでもある。このドラマは、そういう、なんか、見えないものに動かされている状況を確認するためのドラマだったと言えるのかもしれない。

そして、主人公は、あくまでも、ザワザワするものを明確にしようとする。そして、そのバックボーンに辞書があったりする。彼女が着ている緑の衣装には、何か、色々と中立的なものを感じさせている気もする。そう、この情報過多な社会で、法的なものではなく、世の中を審議できる人が必要なのだ。そして、客観性の高い、独特の視座に立った、ジャーナリズムが必要だということが、本当に問われる時代にはあるということなのだろう。

そして、次は最終回である。取材した結果、彼らは自分の仕事も追われそうになっているわけで、なかなか、思った以上にラストは面白くはなりそうだ。

今日も、日本はざわついている。それが、何か収束するようにも見えないわけで、ただ、ここ2年、楽しく穏やかに過ごすことを拒否されているような中で、未来に向けて明るいものを見つけたいという気持ちは皆同じ。インターネットで不特定多数が繋がれる時代。そこに、何か新しい意見がドラマの中のエッセンスとして出てくれば、それは興味深いと思う。

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