見出し画像

「Get Ready」闇医者を描くことで、世の中の歪んだ構造みたいなのを描きたいのだろうが・・・。

妻夫木聡の髪型は、絶対に「ブラックジャック」を意識したものですよね。ある意味、パクリですよね。それを、日曜劇場的に派手な感じにしてみました的な・・。演出のチーフが堤幸彦ということは、それなりのリスペクトはあるのでしょうが・・。脚本は5人の名前が羅列してある共同作業。日曜劇場は昨年から、どんどんエンタメ追求の末に漫画チックになっていることは確かで、ここに至ったのだろなとは思った。そして、ちゃんと土下座シーンも入れてあるし。TBSのドラマ班、大丈夫?と思ったりもしますよね。まあ、こうすれば視聴率取れるということでしょうか?

妻夫木の主治医がいて、それをサポートできるスーパーナースの松下奈緒がいる。これ、でかいピノコということなのでしょうか?とはいえ、恋愛感情はなさそう。そして、営業の藤原竜也、ネットの証拠隠滅係の日向亘。この四人の闇グループを、病院と警察が取り囲んでいる感じの構造。わかりやすく、エンタメとしては興味深い。ある意味、「ドクターX」をもっとデフォルメした形。妻夫木に失敗という文字はなさそうだし、手術料も、メロンおじさんの持ってくる請求書の比ではない。この辺りは、まさしく「ブラックジャック」を意識して作ってある。妻夫木主役というのは「ブラックジャックによろしく」からの発想でのキャスティング?まあ、それもわかりやすくて、テレビの視聴者の興味は惹けるということか?

で、初回の患者は、最初に出てきた伊武雅刀かと思ったが、これは命もかかってないし、再度登場するということか?伊武と対峙するところで小さなドローンが出てくるが、こういうものが実際世の中に存在するのだろうなと思うと薄ら寒さは感じる。こういうもので証拠を残さずに殺人するケースも出てくるだろう。ここで、防衛の無意味さも見えてきたりする。

そして、本題は投資家の池松壮亮。彼が多額の寄付でホームレスを助けている反面、多くの人が彼に仕事を負われ、命を落としたということで、妻夫木らは彼が生きてる価値がないと判断し、手術を断る。そこの自分の命の限界が見えてから、初心に帰って、中小企業の事業を助けようと動き出す池松。こういう人の心が短絡的に動くのは漫画なら許されるが、こういうドラマの中ではやはり軽い感じがする。もう一つ、池松の本音みたいなものが見えにくい。池松が演じることで成立している気がする。そう、「ドクターX」もそうなのだが、患者がうまく演じないとこういうドラマは成立しない部分がある。

そして、倒れるのを待って手術するみたいなやり方も今ひとつ非人道的にも見える。そして、この闇医者グループ、緊急手術室を持っているわけで、ここにとてつもない金を注ぎ込んでいるということだろう。そして、分断された肺を死に直面した患者に移植していくという無謀なというか、アメージングすぎる手術。手術室にほとんど血が飛ばないのは不自然だが、所詮そこを描きたいわけでもないから、セリフだけに凄みを見せればいいのだろう。

まあ、それなりに面白かったが、ドラマの構造的なものとしては大味で隙がありすぎる気はした。

あと、妻夫木が表向きはケーキ職人で、それを追いかける女子高生の當間あみがいるというのは、必要なのか?後で、何かに使われるのだろうが、初回では蛇足的に見えた。あみちゃんは可愛いですけどね・・。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?