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「珈琲いかがでしょう(第4話)」珈琲の香りと青山の生き方が近づいてくる。

4回目になって、主人公の青山(中村倫也)の過去の顔がだんだんと曝け出されてきた。この辺のドラマの導き方は、荻上直子の脚本はなかなかうまい。だいたいこのドラマ、1時間に二本の話を仕込むという変則な感じなのだが、そこがうまく流れているのも脚本のうまさだろう。

今日の最初の話は、コーヒー断ちした、野間口徹が現実に向き合えるまでのお話。妻の死を受け入れられなかったというオチは、なかなか沁みる話であり、珈琲とはそんな当たり前の日常にある飲み物だという話である。そこに、青山の過去を知る、一ノ瀬ワタルとその妻の山田真歩が出てきて、全く関係ない話が同時に進んでいくのをうまくはめ込んでいる。こういう流れが上手い脚本なのだ。

野間口の話は、短編小説的にはよくある話であり、最後に妻が消えて、その死に向き合えるシーンは綺麗に収まっていた。そんな、野間口をほって置けないという青山の性格がここで描かれているのだろうが、それとは対照的な過去の顔が同時に浮かんでくる感じがいい。一ノ瀬ワタルは、強面のこういう役で最近は重宝がられていますな。山田真歩は久々のヤンキー姿。この間観た「すばらしき世界」では婦警をやっていましたよね。変幻自在でなんでのやるスタンスが好感!最後、一ノ瀬に蹴り入れるところで、あんなに高く上がるんだ!と思いました。

そして、青山の車にはGPSが仕掛けられたという流れ。そして、着いたところが、光浦靖子の珈琲サロン?光浦の役名がモタエさんなのだが、荻上直子といえば、もたいまさこ である。この光浦の役はもたいまさこでも十分通じるような気がするのだが、そんなキャスティングだったのだろうか?もちろん、光浦さんでも、最後の蘊蓄を、格好だけのおばさんたちに話すシーンはピッタリでとても良かったですけれどもね。光浦さんいい役者さんですよね。。

そう、インスタ映えとか言って、ここにあるように生活の前に写真という方も多い昨今だが、偉そうに、ものの蘊蓄を語るのが好きな人ほど、そのものを知らずに、新しいものを知ろうとしなかったりする。蘊蓄が生活に溶け込んでいないのだ。最近も、そういう人に会ってとても嫌な思いをしている私は、「そうだよ!」と相槌を打ってしまった。

その場で、夏帆さんだけが、光浦の仕掛けに気づくというのは、青山と再会させるきっかけとしてはお見事!そして、車の前で、夏帆と一緒に礒村勇斗も、一緒にフレームに入るラスト。つまり、これから話が大きく展開するよ!ということなのだろう。

オムニバス的に作られているドラマなのに、流れが心地よいドラマである。少しづつ、青山の過去が開示されていくのも興味をそそる、美味しい珈琲の味わいのドラマには仕上がっていると思う。


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